パネライのコレクションのは大きく2つのカテゴリーに分けられます。
・リューズガードを備えた「ルミノール」
・リューズガードを備えない「ラジオミール」

どちらも個性のあるデザインでさらに細かいシリーズにも分けられておりますが本日は「ラジオミール」よりおススメなモデルをご紹介。非常にクラシカルで魅力的なデザインのモデルをご紹介の前に少しだけパネライの歴史もご紹介。
パネライの歴史は1860年、フィレンツェに開業した時計店から始まります。
イタリア国鉄への納入、そして時計店はイタリア発の時計学校としても機能しており、もちろん時計工房も設備しておりました。
高い技術や水中用の計器などの作成しておりその実績と高い評価を得て1930年代初頭にイタリア海軍からミッションを遂行するための時計制作を依頼されます。その時に開発されたのが今の「ラジオミール」の原点であります。
イタリア海軍に正式に納品されたのは1938年になりますが、その2年前の1936年には試作品が完成しており現在と同じくクッション型のケースにワイヤーループ式のアタッチメントというケースが完成しました。そして創業者の孫にあたるグイド・パネライはこのモデルを完成させる前に硫化亜鉛やメソトリウムなどを合成し発行する物質を開発しており、1916年に特許を出願するときに「ラジオミール」と名付けております。

1949年には次世代となる「ルミノール」が開発されましたがまさに原点ともいえるモデルが今もなお愛されるモデルです。少し歴史のお話が長くなってしまいましたが直線がなく流れるようなクッション型のケースが今から50年以上前に開発された時計とは思えないぐらい洗練されたデザイン。
他のブランドでもブランドの“顔”ともいえるモデルは発売当時から変わらず完成度の高いモデルだと改めて実感します。

ケースは45mmですが先程述べましたクッション型のケースは非常に装着感も良く、すでにパネライのルミノールユーザーからも
“着けやすい”
“大きさを感じない”
という声も良くお聞きします。ムーブメントはパネライ自社製P.5000キャリバーを搭載。
こちらムーブメントはパネライが自社工房で作りあげたキャリバーで今回ご紹介するモデル以外にも多くのモデルに搭載されており高い評価を得ているムーブメントです。

ゼンマイの巻き上げ方式は手巻き式となっており、手でゼンマイを巻くという作業は機械式本来の楽しみ。そしてこの歴史を感じるモデルだからこそ時計に合った機能だと思います。
また手巻き式といっても8日間ものパワーリザーブを備えておりますので一週間に一回ゼンマイを巻くだけで稼働し続けます。

ちなみにこのモデル名にもなっている 8デイズとはパワーリザーブの事を示しており、8日間というのも歴史があります。
1週間以上リュウズを操作せずに動き続ける時計を可能にするため、1940年代初頭　パネライは8日間のパワーリザーブを保有するアンジェリュス®製ムーブメントを採用しておりました。
このムーブメントは非常に丈夫で信頼性も高く、イタリア海軍特殊潜水部隊が使用する時計は、過酷な条件下でも信頼性を維持する必要があったため、この特徴は不可欠なものでした。
長期間のパワーリザーブにすることでリュウズを操作する頻度を減らし、耐久性のみならず全体的な防水性を向上させました。
こうして8日間のパワーリザーブは、パネライウォッチの重要な要素となり、ブランドDNAとなり今もなお、最新の技術とともに残る機能であります。

ヌーシャテルのマニュファクチュールから2005年に発表した初の自社製ムーブメントP.2002は、オフィチーネ パネライの歴史と伝統を受け継ぐ8日間のパワーリザーブを保有して、ムーブメントP.5000にも同じ特徴を搭載しています。

文字盤に印字されている「8 GIORNI BREVETTATO」。
「GIORNI = 日」を表していますので、「8日」となります。残りの「BREVETTATO」はというと、イタリア語で “特許取得” を意味し、全てを日本語に直すと「8日・特許取得」となります。少し説明が長くなってしまいましたがパネライのルーツがぎっしりと詰まった1本。
ガラスの作り込み、ストラップの特徴などまだまだお伝え出来ていない部分がありますが残りは店頭で実物を見ながら手にとってご体感いただければと思います。

PANERAI　パネライ
ラジオミール 8デイズ
品番：PAM00992
ムーブメント：手巻き（パネライ自社製P.5000キャリバー）
ケース素材：エイジング加工を施したAISI 316L ポリッシュスティール
ケース径：45mm
防水：100m防水
価格：¥1,023,000-(税込)