知らなきゃ損!ジラール・ぺルゴが世界にもたらしたこと!~前編~

皆様こんにちは。西川です。
いつもoomiya京都店のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

本日は表題にもある通り【ジラール・ぺルゴ】が腕時計の歴史を変えていくストーリーをお話ししようと思います。
近年のラグジュアリースポーツウォッチの筆頭としての地位を確立しているブランドではありますが、偶然ではなく歴史上に名を遺すブランドだからこそ成しえた事だと思っていただけるように頑張りたいと思います。

①19歳の天才が生み出す一点もの

【ジラール・ぺルゴ】というブランドを語る上で【ジャン・フランソワ・ボット】という天才を抜きにしては語れません。
この方は1791年に19歳でジュネーヴに自身の工房を設立します。
ジュネーヴという土地はスイスの中ではフランスに近いため、ケースを作るのが非常に上手な街だそうです。
ジュエリーがフランス製造の物が多いのは彫金細工などが得意な方が風土的に多く住まわれています。

当時はオーダーメイドの時計製作ですから、写真のような時計は製作依頼を受けて真珠を取りに行く事から始まります。
数百個のパールをサイズ違いに用意する為に、ペルシャ湾まで採取しに行く事になります。
それを規則正しく並べていく事で完成するのですが皆様なら販売価格いくらにされますか?

こちらは琺瑯仕上げのケースを採用した時計です。
琺瑯仕上げはあの有名なツタンカーメンの黄金のマスクの表面にも施されている歴史的にも高級品に採用されている仕上げです。
完成品を見ると「へー」と思いますが、実際にかかる手間暇は想像を絶すると思います。
1800年代の時計製作は現代と全く違う一点ものの時代でした。
現在の値段では表すことのできない価値があるのがこの時代の時計作りです。
販売員をしているとお客様の期待に応えられていないなと試行錯誤する事が多いですが、この時計作りの試行錯誤からすると大したことのない悩みだなと思います。
個人的にこの試行錯誤があったからこそ現代の【ジラール・ぺルゴ】は高い評価を受けるに至っていると思います。

②日本初の舶来時計!

【ジラール・ぺルゴ】の功績として日本人に馴染み深いのが日本に初めて輸入された海外の時計の物語だと思います。
このブランドの名前は二人の夫婦から名前がとられています。

男性の名前は「コンスタン・ジラール」女性は「マリー・ぺルゴ」と言い、合わせて【ジラール・ぺルゴ】となりました。
実は創業者が男女というのは珍しく、知れば知るほど【ジラール・ぺルゴ】の柔らかい雰囲気などはこの為かななんて思ったりもします。
時計の部品を細かく見ても綺麗に面取りが施されており、決して機械仕上げでは生み出せない丸みのある面取りや、細かいペルラージュなど繊細な仕上げとなっております。
お話を戻します。

日本に初めてスイス製の時計を持ち込んだのは、女性の「マリー・ぺルゴ」の親族にあたる「フランソワ・ぺルゴ」です。
今では日本からスイスは直行便で14時間で到着します。
当時旅客機などなく、船だと1カ月以上の時間が掛かりその分感染症等のリスクが高まります。
それを乗り越えて無事到達するのは至難の業であり、ぜひ知っていただきたいことです。

③傑作スリーゴールドブリッジの誕生

時計に詳しい方は「ブリッジ」というワードを聞くとどの部分か想像できる方もいらっしゃると思います。
分からないという方の為にも簡単に説明致しますと、時計の文字盤側と対になってムーブメントを支える板のことです。
時計は地板とブリッジでサンドウィッチのように中身を支えています。
シースルーバックの時計から見えている、装飾された板というのはほとんどがこのブリッジと呼ばれる部品です。
このブリッジに与えられた役割というのは、ムーブメントを挟んで安定させることです。
ですから装飾というのは二の次で良いのですが写真をご覧下さい。

最低限のブリッジとしての機能を残して形が特徴的に作られています。
このブリッジは金で作られており、現代の【ジラール・ぺルゴ】のブランドロゴに繋がる重要なデザインです。
ブランドを象徴するデザインは非常に豪華で、時間を止めてしまいそうなほど力強さを感じます。
日本人で言う所の千手観音像を見て言葉にならない威圧感があるようなイメージです。

今なおデザインとしてスリーゴールドブリッジを継承しているのがジラール・ぺルゴのブリッジコレクションとなります。
ご覧いただける様に現代は文字盤側からゴールドブリッジをお楽しみいただけるデザインとなっております。
皆様は金のブリッジをどの様にして矢型に削っていくかご存知ですか?
私は機械で削るとばかり考えていましたが、実は手作業なんです。
ここまでは驚かないですが、その時に使用するのは「木」を使用してゆっくり時間をかけて削っていきます。
金は柔らかい素材の為柔らかい木を使わないとすぐに傷が入り使えなくなります。
仕込みの部分を丁寧にこなすからこそ完成した時に一層美しく輝きます。

まとめ

皆様お付き合いいただきありがとうございました。
有名なエピソードも多いと思いますが、後編では更に有名なエピソードをご紹介致します。
最近自動化が進む時計業界ですが、古き良き手作業の伝統を受け継ぐブランドを楽しんでご覧いただける様にスタッフ一同お待ちしております。
また、ぜひご覧いただきたい記事も貼っておきますので併せてご覧下さい!
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