【グラスヒュッテ・オリジナル VS IWC】ドレスウォッチ徹底比較!
皆様こんにちは!青木です。
本日はoomiya京都店のブログでちょくちょく投稿している「徹底比較検証!」をしようと思います。
今回比較するブランドとモデルはこちら↓↓↓
グラスヒュッテ・オリジナル(Glashütte Original)とIWC(International Watch Company)です。
どちらも高級時計ブランドですが、ブランドの歴史・哲学、ムーブメント、デザインなどに違いがあります。
それぞれの特徴を比較していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。


ブランドの歴史と背景
グラスヒュッテ・オリジナル | IWC | |
---|---|---|
創業 | 1845年(旧東ドイツの時計産業をルーツに持つ) | 1868年(スイス・シャフハウゼンにて創業) |
国 | ドイツ(グラスヒュッテ) | スイス(シャフハウゼン) |
特徴 | グラスヒュッテ地方の伝統技術を受け継ぎ、ドイツ的な実用性と精密さを重視 | スイスの時計技術とアメリカの産業技術を融合し、実用性と高精度を追求 |
グラスヒュッテ・オリジナルは、ドイツ・ザクセン州のグラスヒュッテ地方に根ざした時計ブランドであり、その歴史は1845年にまで遡ります。もともとこの地域では、フェルディナント・アドルフ・ランゲをはじめとする時計師たちが工房を構え、ドイツ時計産業の礎を築きました。しかし、第二次世界大戦後、東ドイツ(旧DDR)の社会主義体制のもとで時計メーカーは国営化され、グラスヒュッテの複数の時計ブランドが統合され「GUB(グラスヒュッテ・ウーレンベトリーブ)」として運営されることになります。
冷戦終結後の1994年、GUBは民営化され、グラスヒュッテ・オリジナルとして再出発。伝統的な技術を受け継ぎながらも、現代的な時計製造技術を取り入れ、完全自社製ムーブメントを開発するマニュファクチュールブランドとして確立しました。

一方、IWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)は1868年、スイス・シャフハウゼンにてアメリカ人時計師フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズによって設立されたブランドです。ジョーンズは、アメリカの工業技術とスイスの伝統的な時計製造技術を融合させ、高精度かつ量産可能な時計製造を目指しました。その結果、IWCはスイスの中でも異色のブランドとして発展し、特に堅牢性・機能性に優れた設計や技術革新を得意とするメーカーとなりました。
軍用時計やパイロットウォッチの分野でも名高く、「ビッグ・パイロット」や「マークシリーズ」などの堅牢なモデルを多数展開。さらに、クラシックな「ポルトギーゼ」や技術力を誇る「ダ・ヴィンチ」シリーズなど機能性とデザインのバランスを重視した時計を多く手がけています。

つまり、グラスヒュッテ・オリジナルは伝統的なドイツ時計の製造技術と美しい仕上げにこだわったエレガントなブランドであるのに対し、IWCはスイスの高級時計ブランドの中でも、特に精密設計や技術革新を重視したメーカーです。
ムーブメントと技術
グラスヒュッテ・オリジナル | IWC | |
---|---|---|
ムーブメント | 95%自社製造(マニュファクチュール) | 一部自社製造、ETAベースもあり |
特徴 | グラスヒュッテ3/4プレート、青焼きネジ、手彫りの装飾 | ペラトン式自動巻き、シンプルで頑丈な設計 |
代表的な機構 | パノラマデイト、フライバッククロノグラフ | ペラトン巻き上げ機構、パーペチュアルカレンダー |
グラスヒュッテ・オリジナルは、ドイツの伝統的な時計技術を継承しつつ、独自の美学と精密な職人技を融合させたブランドです。その設計には、グラスヒュッテ特有の3/4プレートや青焼きネジ、面取り加工が施された美しいブリッジ、そして職人の手作業によるエングレービングなどが取り入れられており、芸術的な仕上げが特徴です。また、グラスヒュッテ・オリジナルの時計は、シースルーバックを採用することで、ムーブメントの緻密な装飾や美しい仕上げを鑑賞できる点も魅力となっています。
一方、IWCは実用性と耐久性を追求した精密設計が特徴で、パイロットウォッチやダイバーズウォッチなど、過酷な環境にも耐えうる高い機能性を備えたモデルを多く展開しています。特にIWCが独自に開発した「ペラトン自動巻き機構」は、高い巻き上げ効率と耐久性を誇る革新的な技術であり、巻き上げの要となる爪やカムに摩耗しにくいセラミック製パーツを採用することで、長期間にわたる安定した動作を実現しています。また、IWCの時計は視認性や操作性にも優れたデザインが多く、パイロットやプロフェッショナルのための実用的な計器としての役割も果たしている点が特徴です。


このように、グラスヒュッテ・オリジナルは伝統的な時計職人の技術と芸術性を重視し、IWCは実用性と耐久性を最優先に考えた機能美のある時計づくりを行っている点で、対照的な魅力を持つブランドと言えます。
デザインとモデルラインナップ
グラスヒュッテ・オリジナル | IWC | |
---|---|---|
デザインの特徴 | クラシック&エレガント、左右非対称デザイン(パノシリーズ) | ミリタリー・パイロットウォッチ、スポーティーなデザイン |
代表的なコレクション | パノマティックルナ、セネタ、ヴィンテージ | パイロットウォッチ、ポルトギーゼ、インヂュニア |
グラスヒュッテ・オリジナルはエレガントでクラシックなデザインが多く、「パノマティック」シリーズの左右非対称なデザインが特徴です。一方、IWCはパイロットウォッチなどのスポーティーなデザインが豊富で、特に「ポルトギーゼ」はシンプルながらも洗練されたデザインで人気です。
ここからモデルの比較をしていきます!
セネタ・エクセレンス 1-36-01-01-02-61

- ケースサイズ: 直径40.00mm、厚さ10.00mm
- ケース素材: ステンレススティール
- 文字盤: シルバーグレイン仕上げ、ガルバニックブラックのインデックスとレイルロードのインデックスリング、青焼きのペアシェイプ針
- ストラップ: ブラックのルイジアナ産アリゲーターレザーストラップ
ポルトギーゼ・オートマティック 40 IW358304

- ケースサイズ: 直径40.00mm、厚さ12.40mm
- ケース素材: ステンレススティール
- 文字盤: シルバーメッキ仕上げ、アプライドアラビア数字、ブルースティールのリーフ針
- ストラップ: ブルーのアリゲーターレザーストラップ
両モデルとも直径40mmのステンレススティールケースを採用していますが、セネタ・エクセレンスの方がケースが薄く(10.00mm)、よりスリムなデザインとなっています。文字盤デザインでは、セネタ・エクセレンスはクラシックなローマ数字とレイルロードインデックスを特徴とし、ポルトギーゼはアラビア数字とシンプルなデザインが特徴です。
ムーブメントと性能
セネタ・エクセレンス 1-36-01-01-02-61
- ムーブメント: 自社製キャリバー36-01、自動巻き
- パワーリザーブ: 約100時間
- 振動数: 28,800振動/時(4Hz)
- 特徴: シリコン製ヒゲゼンマイ、グラスヒュッテ3/4プレート、青焼きネジ、サファイアクリスタルのシースルーバック
- 防水性: 5気圧(50m)
- その他: 秒停止機能、革新的なバヨネット方式でムーブメントをケースに固定し、耐衝撃性を向上



ポルトギーゼ・オートマティック 40 IW358304
- ムーブメント: 自社製キャリバー82200、自動巻き
- パワーリザーブ: 約60時間
- 振動数: 28,800振動/時(4Hz)
- 特徴: ペラトン自動巻き機構、セラミック製コンポーネント、サファイアクリスタルのシースルーバック
- 防水性: 3気圧(30m)
- その他: 秒針停止機能、耐磁性を高めるソフトアイアンインナーケース



セネタ・エクセレンスは約100時間の長いパワーリザーブが特徴で、シリコン製ヒゲゼンマイを採用し、耐磁性や耐久性を高めています。一方、ポルトギーゼはIWC独自のペラトン自動巻き機構を搭載し、効率的な巻き上げと耐久性を実現しています。
また、セネタ・エクセレンスは防水性が高く(5気圧)、耐衝撃性にも配慮されています。ポルトギーゼは耐磁性を高める設計が特徴です。
まとめ
セネタ・エクセレンス 1-36-01-01-02-61は、スリムなデザインと長いパワーリザーブ、耐衝撃性に優れた設計が特徴です。
一方、ポルトギーゼ・オートマティック 40 IW358304は、IWC独自の巻き上げ機構と耐磁性に優れた設計が特徴です。
✅ グラスヒュッテ・オリジナルが向いている人
- ドイツ時計のクラフトマンシップや伝統的な技術を楽しみたい
- パノラマデイトや手彫り装飾のような独自の美しさを求める
- よりエレガントでクラシックな時計が好き
✅ IWCが向いている人
- 実用性や耐久性を重視する
- パイロットウォッチやスポーツウォッチが好み
- シンプルかつ機能的なデザインを求める
いかがでしょうか。
グラスヒュッテ・オリジナルにもIWCにもそれぞれの良さがありますね。
違うブランドを横に並べて見ていただけるのは京都ではoomiya京都店だけです!
ぜひ他のブランド同士徹底的に比較しながらご検討くださいませ。