クストスの透明な美学:サファイアクリスタルケースの製造と耐久性
皆様こんにちは。
いつもoomiya京都店のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
本日はフェア開催中のクストスから素敵なモデルをご紹介させていただきます。

クストス(CVSTOS)の「メトロポリタン P-S スケルトン サファイア」は、卓越した技術と洗練されたデザインが融合した、まさに芸術品とも言えるタイムピースです。本記事では、この魅力的なモデルの特徴や技術的なこだわりについて詳しくご紹介します。
まずはクストスがどういったブランドなのか、少しおさらいしてみましょう。
クストスとは
クストスは、サスーン・シルマケス(Sassoun Sirmakes)とアントニオ・テラノヴァ(Antonio Terranova)によって設立されました。サスーン・シルマケスは、著名な時計ブランド「フランク ミュラー(Franck Muller)」の共同経営者であり、時計製造のノウハウを持つ人物です。彼は、革新的なデザインと技術を追求する姿勢を持ち、クストスのブランドコンセプトにもその影響が色濃く反映されています。一方、アントニオ・テラノヴァはデザイナーとして、未来的かつスポーティな時計デザインを創り出し、クストス独自のスタイルを確立しました。
クストスのブランド名はラテン語で「守護者」を意味し、革新性と卓越した技術を追求するブランド哲学を表しています。クストスの時計は、先進的なデザインと高度な時計製造技術が融合し、スポーティでありながらエレガントな魅力を放つタイムピースとして評価されています。

透明な美しさが際立つサファイアケース
「メトロポリタン P-S スケルトン サファイア」の最大の特徴は、サファイアクリスタルを贅沢に使用したケースです。サファイアクリスタルは非常に硬度が高く、傷がつきにくい素材として知られています。その透明度の高さにより、時計内部のメカニズムがまるで宙に浮かんでいるかのような美しい視覚効果を生み出します。360度どの角度からも精巧なムーブメントを堪能できるのは、このモデルならではの魅力です。



ダイヤルはスケルトン仕様となっており、細部にわたる職人技が際立つデザインが施されています。歯車やテンプの動きを直接見ることができるため、時計の鼓動を視覚的に楽しめる点も大きな魅力です。また、クストスの特徴である未来的でエレガントなスタイルが、都会的な印象を与えると同時に高級感を演出しています。
クストスのサファイアクリスタルケース製造プロセス
サファイアクリスタルとは?
サファイアクリスタルは、天然のサファイア(コランダム)と同じ化学組成を持つ人工的に生成された透明な結晶です。モース硬度9という高い硬度を誇り、傷がつきにくく、耐久性にも優れています。そのため、高級時計の風防やケースに採用されることが増えています。
クストスの時計にはサファイアクリスタルケースを採用したモデルがいくつかありますが、他のブランドではそうそう見かけませんよね。なので今回はサファイアクリスタルケースがどのように作られているのか少し探ってみましょう。
① 原材料の合成
サファイアクリスタルは、酸化アルミニウム(Al₂O₃)を高温高圧で結晶化させることで作られます。製造には、ベルヌーイ法(Verneuil method)やKY法(Kyropoulos method)が使用され、不純物のない高純度の結晶を育成します。
② ブロック状のサファイア結晶の切断
育成されたサファイア結晶は、大きなブロックの状態で生成されます。このブロックを高精度のダイヤモンドブレードでスライスし、ケースの形状に近いパーツに切り出します。
③ ケース形状への加工
スライスされたサファイアクリスタルを、CNCマシン(コンピューター制御の工作機械)を用いて、ケースの複雑な形状へと削り出します。クストスのトノー型ケースのような立体的なフォルムを形成するためには、非常に精密な加工技術が求められます。
④ 研磨と仕上げ
削り出したパーツは、サファイアクリスタル特有の透明感を出すために、何段階にもわたる研磨作業を経ます。特に、クストスのケースは多面体構造のデザインが多く、それぞれの面を美しく仕上げるには熟練の職人技が必要です。
⑤ 組み立てと耐久性テスト
研磨されたサファイアクリスタルケースは、チタンやゴールドのパーツと組み合わされ、最終的な時計の形へと仕上げられます。その後、防水性や耐衝撃性を確認するテストを実施し、品質基準をクリアしたものだけが市場へと出荷されます。

大きく分けてこのような流れですが、公開されていないクストスだけが持つ特殊技術も盛り込まれているので、まだまだ全てを分析するのは難しそうですね。。。
そしてユーザー様が気にされるポイントがサファイアクリスタルケースは割れないのか?という疑問です。
僕自身も他ブランドではありますが、使用していて固い床に時計を落としたら無残な状態になってしまったと聞いたことがあります。
サファイアクリスタルケースの時計を落とすことはないかと思いますが、実際のところはどうなのでしょうか?
サファイアクリスタルケースは割れないのか?
サファイアクリスタルは、モース硬度9を誇る非常に硬い素材で、日常の使用ではほとんど傷がつきません。そのため、高級時計の風防やケースに採用されています。しかし、「硬い=割れない」というわけではなく、強い衝撃には弱いという特性があります。
金属や一般的なガラスよりもはるかに硬いため、鍵やコイン、ナイフなどが当たっても簡単に傷をつけることは難しいです。そのため、時計を長く美しく保つことができます。
一方で、サファイアクリスタルは硬度が高いぶん、靭性(粘り強さ)が低いという特徴があります。そのため、強い衝撃や落下の際に特定の一点に強い力が加わると、ひび割れたり割れる可能性があります。特に、角やエッジ部分に衝撃が集中すると、割れやすくなります。
・実際の使用で割れるケースは?
- コンクリートや硬い床に落とした場合
- 金属製の硬いものに強くぶつけた場合
- ケースが極端な圧力を受けた場合(例:締めすぎたバンドが変形し、ケースにストレスを与える)


腕時計なのにシリアル番号が刻印されていない?
そうなんです。このモデルはサファイアクリスタルのケースを使っていることもあり、ケースに刻印などは一切ありません。
その分、透け感が増し美しいケースデザインを保っています。
ただ、シリアル番号が無いことには時計の管理が出来ませんよね。
もうお気づきの方もいるかもしれませんが、裏側のローター下部にQRコードが記載されています。安全面を考慮して全てを移すことは出来ませんが、こんな表現の仕方をしているのはクストスぐらいではないでしょうか。
QRコードを読み込むと時計の情報を確認することができますが、どこまで見ることが出来るかはご購入された方のお楽しみですね。
ただいま、oomiya京都店では『クストス ジェットライナー コレクション』を開催しております!
期間中だけの特別展示に加え、豪華特典もご用意しておりますので、この機会にぜひクストスの世界観をご体感くださいませ。


メトロポリタン P-S スケルトン サファイア
品番:CVM-PS-SQT-CAFU SAPH
ムーブメント:自動巻き
素材:サファイアクリスタル
ベルト:ラバーストラップ
防水:30m防水
サイズ:51×42mm
その他:パワーリザーブ約42時間
価格:¥6,380,000 (税込)