フランジには速度の計測に使用するタキメーター目盛りが備わっています。このフランジは、初代カレラ開発の際には防水性を高めるテンションリングとしての役割も担っていました。

風防には、サファイアガラス製の「グラスボックス」が採用され、ダイヤル文字盤はフランジのカーブにぴったりと沿ってドーム型サファイアクリスタルに覆われています。

この形状は、1970年代のカレラモデルに採用されていた縁が立ちあがったドーム型のヘサライトガラスのデザインを受け継いでおり、クラシカルな雰囲気を感じられます。

グラスボックスの曲率をフランジの傾斜に合わせることで、ダイヤルの縁まで歪みなく見ることのできる視認性の高さも実現しています。

時分針とアプライドインデックスの先端部分には蛍光塗料が塗られているため、夜間でも見やすくなっております。

【裏蓋・ムーブメントについて】

ねじ込み式のサファイアケースバックからは、自動巻きムーブメント キャリバー TH20-00の構造が見えるようになっております。
キャリバーTH20-00（ティーエイチ・ニーゼロニーゼロ）は、先駆的な自社製ムーブメント、約80時間のロングパワーリザーブを誇るキャリバー ホイヤー02をさらにアップグレードしたクロノグラフムーブメントです。

一部の歯形を変えたほか、自動巻きの方式も片方向巻き上げから両方向巻き上げに改良されています。これにより、時計を振ったり、腕を大きく動かした際にもローターが空回りする音がほとんどしなくなりました。

また、自動巻き機構や70を超える連結部品の一つひとつにより手間をかけ、耐久性が飛躍的に向上しています。サファイアガラス越しには、ブリッジに施されたコート・ド・ジュネーブ装飾など、ムーブメントの仕上げの美しさも堪能できます。タグ・ホイヤーのシールドロゴの五角形を模した個性的な形のローターはTH20-00で初めて採用されたもので、ムーブメントの名前が記されています。
裏蓋の周囲には、ブランド名やモデル名、防水性能が刻まれております。

【ストラップについて】

ブルーダイヤルモデルに着いているのは、ダイヤルの色と同じブルーのスムースなカーフレザーストラップで、ステッチの糸の色もブルーで統一されています。

ブラックダイヤルモデルには、レーシングウォッチとしての歴史が感じられる、ブラックのパンチングレザーストラップが備わっています。

バックルはどちらもステンレスティール製で、プッシュボタン式のフォールディングバックルとなっております。

【防水性能について】

防水性能は100m防水で、スポーツ用防水に相当する高い防水性能を誇っています。

【まとめ】

全体的に大きくデザインを一新したタグ・ホイヤーの力作だと思いました。

特にケースの縁まで張り出した、ベゼルのないグラスボックスが独自性を放っていて、非常に素晴らしいデザインだと思いました。ダイヤルのフランジは盛り上がったようなカーブを描き、インデックスもダイヤカット処理の輝きが目を引き、レトロにも見える立体感が素晴らしいですね。

この時計のサイズは39mmで、大きすぎず、小さすぎず、適度な大きさが、今の時代にとても合っているように感じました。。​​さらに、パワーリザーブ約80時間という実用的な機能もあり、安心してお使いいただけるモデルだと思いました。
タグ・ホイヤーのクラフトマンシップと最新のデザインコードが反映されており、他にはないヴィンテージライクでスタイリッシュなクロノグラフは世代を問わずオススメです。