ULYSSE NARDIN（ユリス・ナルダン）
マリーン トルピユール トゥールビヨン
品番 1283-310-0AE/1A
ムーブメント 自動巻き（自社製キャリバー UN-128）
ケース素材 ステンレススティール
ベルト アリゲーターストラップ
防水 50m防水
サイズ 42mm
その他特徴 パワーリザーブ約60時間
価格 ¥8,327,000 （税込）

【概要】

1846年にスイスのル・ロックルで設立されたユリス・ナルダンは、各国の海軍で使用されるほど高精度なマリンクロノメーターの製造で優れた功績を残しています。この、ユリス・ナルダンの原点とも言えるマリンクロノメーターの意匠を引き継いだのが「マリーン」コレクションです。2017年にリニューアルされた「マリーン トルピユール」は、小型・薄型化を特徴とする現代的な新しいマリーンにあたります。トリピユールとは、駆逐艦を意味するフランス語で、19世紀に船長だけがもっていた高精度のポケットクロノメーターの名前でもありますブランドの歴史を象徴するマリーン トルピユールを、ユリス・ナルダンは「不屈の船乗りたちへ向けた、軽量で、現代的なタイムピース」と位置付けています。

【ケースについて】

ケースサイズは42mm、素材はステンレススティールです。ケースはやや大きめですが、着け心地は決して悪くありません。また、ラグが手首からはみ出さないよう短めに、かつわずかに曲げて設計されている点も、着けやすさにつながっています。

ラグの表面はサテン仕上げで落ち着いた印象なのに対して、ケースサイドは艶やかなポリッシュ仕上げです。ベゼルはかなり幅が薄く、側面にはフルート装飾が施されています。細かな凹凸が複雑に光を反射し、手首を華やかに彩ってくれるでしょう。

リューズにもベゼルと同様に細やかな装飾が施され、ドーム状に盛り上がったトップには、ユリス・ナルダンのロゴが浮き彫りされています。イカリをモチーフにしたこのロゴは、ユリス・ナルダンがかつてマリンクロノメーター製造で活躍した歴史を示すものです。

ユリス・ナルダンの時計は、それぞれのタイムピースのケースサイドに個別の識別番号を記しています。唯一無二の時計であることを感じさせてくれる特別な仕様です。

【文字盤や針について】

ユリス・ナルダンの「マリーン トルピユール トゥールビヨン」の文字盤は、ドンツェ・カドランが手掛ける希少なエナメル技術の結晶です。このエナメル文字盤は、時計製造の中でも最高峰の技術として知られる「グラン・フー」エナメルを採用しており、その製造過程は極めて手間と熟練を要します。

この技術の価値は、単なる美的表現を超え、永続的な耐久性を備えた高い工芸品としての価値を持つ点にもあります。時を経ても色褪せることのないその輝きは、まさにユリス・ナルダンのような名門時計ブランドが選ぶにふさわしいものであり、その希少性は時計愛好家やコレクターにとって特別な魅力となっています。「マリーン トルピユール トゥールビヨン」の文字盤に刻まれる時間は、まるで伝統と技術の結晶そのものであり、エナメルの奥深さが表現する時の永遠性を感じさせます。この希少なモノづくりの背景を知ることで、ただの時計以上の価値が見えてくるのです。

クリーンなホワイトダイヤルに対して、インデックスやスケールはすべてブルーを採用しています。薄いベゼルのおかげで文字盤にはゆとりがあり、時計としての機能を最大限に発揮してくれる素晴らしいデザインが展開しています。

ローマ数字のインデックスやカセドラル型の針といったクラシカルな要素は、ユリス・ナルダンがかつて手がけていたマリンクロノメーターのスタイルを踏襲したものです。

時分針と12時位置のパワーリザーブインジケーターはシルバーカラーで、ホワイトダイヤルとの相性も良く、上品な色合いでまとまっています。また、分針は針の先端をわずかに曲げることで文字盤とのクリアランスを詰め、読み取りやすさを高めています。

2つのサブダイヤルの間には、ユリス・ナルダンの名前と創業地であるスイス　ル・ロックルの名前が記されています。

【裏蓋・ムーブメントについて】

時計の裏側は、ムーブメントの動きをいつでも眺められるシースルーバックとなっています。

自動巻きのUN-128キャリバーは、スイスのル・ロックルにあるユリス・ナルダンの自社工房で製造されました。このムーブメントは、ブランドの発展と独立したムーブメント製造の伝統を象徴しています。60時間のパワーリザーブを備え、フライングトゥールビヨンという美しい機構を搭載しており、シリシウム技術の利点を最大限に活かしています。特に、ホワイトの「グラン・フー」文字盤上の6時位置に配置されたトゥールビヨンが、この時計の目を引くハイライトです。これにより、ユリス・ナルダンが常に技術革新を追求していることがよくわかります。フライングトゥールビヨンは、高級時計の中でも特に複雑で目を引くメカニズムの1つです。重力がムーブメントの精度に悪影響を与えるのを防ぐために設計されており、機械式時計製造の最高技術を象徴しています。このモデルでは、フライングトゥールビヨンのケージや歯車、ネジ、ヒゲゼンマイはすべてユリス・ナルダンが自社で製造しており、技術力の高さが際立っています。また、この時計は約60時間のパワーリザーブを持ち、腕から外していても約3日間は動き続けるため、実用性にも優れています。

さらに、完成品には「ユリス・ナルダン クロノメーター＆パフォーマンス」という6日間にわたる自社検査を実施し、最高の品質を追求しています。

受けとブリッジにはコート・ド・ジュネーヴ仕上げが施され、側面まで丁寧に仕上げられています。独特の質感があり高級感が感じられるローターには、ユリス・ナルダンのロゴが刻まれています。

【ベルトについて】

ブラックのレザーに同色のステッチを施したシックなもので、トルピユールのクラシカルな魅力を引き立ててくれます。

プッシュボタン式のフォールディングバックルは、ピンバックルに比べて着脱が手軽で、レザーへのダメージが抑えられるのもメリットです。バックルもポリッシュ仕上げとサテン仕上げを使い分けた高級感のある仕上がりで、ユリスナルダンの名前がしっかりと刻まれています。

【防水性能について】

防水性能は50m防水となっております。

【まとめ】

まず、マリンクロノメーターのデザインを受け継いだケースは、ベゼルの繊細な薄さと、文字盤を大きくすることで優れた視認性をもたらします。そのすり鉢状のケースと短く落ち着いたラグは、時計が手首に美しくフィットし、優雅さと安定感を兼ね備えています。さらに、ケースサイドの艶やかなポリッシュ仕上げと、ベゼル側面の優雅なフルート装飾がエレガントな雰囲気を漂わせ目を引きます。

ムーブメントには錨付きローターの独特な質感が魅力的です。シリコン素材の脱進機は衝撃や磁気に強く、爪レバー式の自動巻きメカニズムは効率的な巻き上げを実現しているのがとても実用的です。

フライングトゥールビヨンを備えたこのモデルは、特別感があり、他の時計とは一線を画す魅力を持つため、ユニークな時計をお探しの方にもおすすめです。

～創業から歩み続ける177年の軌跡～

1846年　「ユリス・ナルダン」自身が23歳の時、ル・ロックルに小さな工房を設立。大きな功績として、船舶用マリンクロノメーターで米、露、英、日本など世界50以上の海軍に使用。数千もの受賞歴、特許を持つ。

1970年代　クオーツ時計の科学技術が急速に進歩し、方向転換を余儀なくされる　→　会社存続の危機

1983年　ロルフ・シュナイダーCEOと物理学者兼時計師ルードヴィヒ・エクスリンのタッグにより、機械式複雑時計のブランドとして再興。「イノベーション」（ビジネスに新しく価値を見出す「変革」）がブランドのキーワードに

1983年〜2000年　数々の複雑時計を発表。天文三部作（ファーストモデルがギネスブックに登録）、オートマタ付きミニッツリピーター等。複雑機構を製作する時計ブランドの地位を確立。

2001年　ムーブメントで時刻を表示する革命的な「フリーク」を発表、時計製作史上初シリシウム製脱進機を搭載。

2011年　エナメル工房「ドンツェ・カドラン」を傘下に収め、自社製エナメルに着手

2014年　ケリング・グループの傘下になり、2017年より現CEO「パトリック・プルニエ」が指揮

2019年　サステナビリティ、国連の持続的な開発目標（SDG14）に注力、海洋保護に関する活動の一環でサメの生態系調査団体や写真家などに協賛

2022年　パトリック・プルニエCEOへの会社売却によりソーウィンドグループとしてケリングから独立

COSCとUNサーティフィケート（ユリス・ナルダン独自の規格テスト）

COSC サーティフィケート：
・COSCはスイスの公的クロノメーター検定機関でスイス製ムーブメントの精度、正確性を認定します。
・COSC認定では7つのテストを行っていますが、一番有名なのは平均日差です。
・一般的な紳士用時計サイズのムーブメントの精度は日差−4/+6秒が求められます。

UN サーティフィケート：
・UN独自の規格テストでは、ムーブメントをケースに入れた状態＝時計として完成された状態で行います。
・ユリス・ナルダン サーティフィケートは下記を含む完成時計の最終テストです。
　・自動巻きのテスト
　・腕につけた状態を想定してのテスト。精度はCOSCと同じ日差−4/+6秒
　・パワーリザーブのテスト
　・最終確認：機能チェック、外観、防水性能も含まれます。

※一日（24時間）は、86,400秒です。時計が24時間に6秒進むと想定すると、誤差は0,0069です。直径4cmにも満たない小型の機械の精度が99.99%ということは、驚くべきことです。

～ダイヤモンシル（耐磁・耐久性を向上。シリシウムを人口ダイヤモンドでコーティングしたユリス・ナルダンの独自技術）～

・ユリス・ナルダンは冒険心を持ち技術革新を追い続け、時計の精度向上と部品寿命をさらに進化すべく素材の探求と実験を重ねています。
・2005年、ユリス・ナルダンは地球上で最も高硬度とされているダイヤモンドウェハーを用いた「フリークダイヤモンドハート」を発表。
・2007年、ユリス・ナルダンはダイヤモンドシル（シルシウムを人工ダイヤモンドでコーティングした特許取得の独自技術）を発表。この技術により、ダイヤモンドに匹敵するほどの硬度をもったシリシウムがさらに耐久性をもたらします。現在でもユリス・ナルダンの基幹ムーブメント、UN-118とUN-119のガンギ車＆アンクルに使用されています。

～シリシウムの開拓者～

ユリスナルダンは2001年にフリークで時計に初めてシリシウム脱進機を使用。以後数年は他ブランドがシリシウムを開発・仕様に遅れをとった。その理由は「製造が非常に困難」であったことと「未知の素材」のため、安易に着手できなかった。開発から20年以上経過した現在、シリシウム脱進機は時計業界には欠かせないものとなった。ユリス・ナルダンは伝統的な時計製造技術と革新的な素材や技術開発を探求する時計マニュファクチュールとして、その地位を確立しています。

脱進機の主要は、多くの時計（90%以上）が使用しているスイスレバー式。スイスレバーは100年近く使用されており、再起動性に優れる一方で脱進機負荷が大きく、長時間一定の時間（精度）を保つことが難しい。効率の良い、新たな設計の脱進機を作ることは、時計製造に携わる者の永遠のテーマでした。

特徴 　　　　　　　　　　　　　　　利点
1、磁気が帯びない　　　　　　　　　耐磁性がある
2、硬質、摩耗しない　　　　　　　　耐久性がある
3、注油の軽減　　　　　　　　　　　耐久性がある
4、弾性　　　　　　　　　　　　　　変形しにくい、戻る
5、耐熱　　　　　　　　　　　　　　気候に関係なく安定
6、複雑形状の成型が可能　　　　　　デザインの幅が広くなる

～「ULYSSE NARDIN」～

1846年、スイスのル・ロックルで設立。以来、ユリス・ナルダンは海の世界からインスパイアされたタイムピース製作で新たな挑戦に挑んできました。
最初は探検への憧れから始まり、初のマリン クロノメーターの製作、そして現代のコレクションのあらゆる所に存在する海からのインスピレーションにいたるまで、メゾンは常に世界全体および海との大胆不敵な関係を築いてきました。
175年以上にわたる歴史に培われた時計製造技術と鑑識を披露し続け、独自のシリシウムテクノロジー、トゥールビヨンや天文学のレガシー、クロノグラフ、エナメル装飾、インハウスデザインといった要素は、いずれも比類なきブランド アイデンティティを構築しています。
ユリス・ナルダンは、自由な精神を尊ぶ方々に革新的なタイムピースをお届けいたします。

【保証とご購入シミュレーション】