謎多き時計ブランド「ユリス・ナルダン」その歴史とは?
皆様、こんにちは。
お久しぶりの方もいらっしゃるのではないでしょうか?谷です!
9月からoomiya心斎橋店にいますので、ぜひ遊びにいらしてくださいませ。
もう朝晩は、すっかり秋ですね!今年の秋は皆さまどのようにお過ごしになりますか?
私は今年は大好きなきのこ類をたくさん食べる「食欲の秋」にしたいと思います。おすすめのきのこ料理や組み合わせがありましたらぜひ教えてください!
さて、今回は謎多きブランド『ユリス・ナルダン』についてお伝えしていきます。
時計が好きな方なら一度は耳にしたことがあるブランドではないしょうか?まずは、歴史からひも解いていきましょう!
ハイウォッチメイキングメゾン『ユリスナルダン』とは?
『ユリス・ナルダン』が生まれたのは、1846年。ユリス氏は自身の名前を取り入れた会社をル・ロックルに設立しました。
その頃のヨーロッパは産業革命が起こり市場や植民地を手に入れるための移動手段の開発、それに伴う大規模な海洋調査が行われ、国際貿易が発展していきました。
そのような時代背景の中、ユリス・ナルダン氏は複雑なポケットウォッチの作成の傍ら航海用の独自のマリンクロノメーター開発に着手します。
尽きることのない発明の才能に恵まれた彼は、確実かつ着実に日々新しいアイデアを思いつき、超高精度タイムピースの設計を行っていきます。
決断力と大胆さを兼ね備えた『ユリス・ナルダン』氏はあらゆることをチャンスととらえハイウォッチメゾン制作の歴史にいくつもの優れた実績を残していきました。
時計職人としての創造の限界にチャレンジし、探求を行い、より高次元な理解に到達するまで、留まることなく進み続けました。
では、なぜ『ユリス・ナルダン』は創業当時から有名だったのでしょうか?
複雑時計を作り続けている『ユリス・ナルダン』
創業当時より、複雑時計を作り続けている『ユリス・ナルダン』は、着々と名をル・ロックルで響かせるようになりました。
特に複雑機構を搭載した懐中時計は高い評価を受け、ついに創業からわずか16年、1862年にロンドン万博博覧会で金賞を受賞します。その後、ユリス・ナルダンの時計は1875年までに計14回ものグランプリを獲得しました。
1862年~1875年となると連続14回の受賞となります!素晴らしいことですよね!
さらに『ユリス・ナルダン』は名を広めていきます。そのきかっけになったのは『マリンクロノメータ―』
船が航海中に時間が狂わない時計が欲しいという航海士の要望に対し、ユリス・ナルダンは答えます。
研究に研究を重ね、波の揺れや温度変化などに影響を受けにくい時計の構造・素材を探し出し、より高性能なマリンクロノメーターを生み出していきます。そうして『ユリス・ナルダン』は有名になり、海軍や国際海運会社などに採用されていきます。
また、日本にも『ユリス・ナルダン』は関わりがあり、明治天皇も愛用した時計といわれています。そして日露戦争でも活躍した大日本帝国の連合艦隊旗艦を務めた戦艦「三笠」にもマリンクロノメーターが採用されました。
1876年から1975年にかけて50個近くのマリンクロノメーターを製作。
そして、それらはイギリス海軍、アメリカ海軍、ロシア海軍、そして日本海軍など世界中の海軍に納品した証があります。
時代は変わり続ける!?クォーツショックで廃業の危機に!!
創業以来高い評価を受けてきた『ユリス・ナルダン』ですが、時代の影が落ちます。
それは1969年に起きた『クォーツショック』でした。機械式時計を扱う多くのブランドのように『ユリス・ナルダン』も消滅寸前に。まさに『クォーツ・クライシス』となった1社でもあります。
しかし、そのような中でも諦めることなく、機械式時計を作る『ユリス・ナルダン』。クォーツショックから13年、なんとか存続をしていたものの、消滅寸前に追い込まれます。ですが、1人の投資家が『ユリス・ナルダン』の魅力に気づき、『ユリス・ナルダン』を買収しました。その投資家こそ『ロルフ・W・スナイダー』氏でした。
その後は『ユリス・ナルダン』の技術力を活かした腕時計作りが始まります。
代表作はいくつかありますが、『ユリス・ナルダン』を代表する最も複雑な時計があります。
この時計は『ロルフ・W・スナイダー』氏が『ルートヴィヒ・エクスリン』博士に作成を依頼したもので3つの時計を合わせて『天文三部作』と呼びます。
これらの時計の素晴らしいところは第1部の時計が1983年に着想が始まり、1985年に登場したところです。
それぞれの時計の特徴については、後ほど別のブログしてご紹介しますね!
時代が変わっていく中で、その時代に合わせてアッと驚くような時計が作ってしまうのが『ユリス・ナルダン』の最大の魅力ではないでしょうか?
時計通の心を躍らせる時計『ユリス・ナルダン』
時計通の心を躍らせる時計『ユリス・ナルダン』
まだまだ日本では知られていない時計ブランドの1つではありますが、随所にこだわりを感じる時計ブランドです。
多くの語り継がれるべきポイントがあるのにも関わらず、謎に包まれている点がたくさんあるのも魅力的です!
時計のロマン・時計の魅力をひしひしと更に深めることが出来る時計ブランドではないでしょうか?
また、日本では時計好きの方が主に認知されている時計ブランドですが、ヨーロッパ・東南アジアでは認知度は高く、さまざまなイベントや街中でも見かけることがあります。
私も今年2024年のWatch&Wondersに足を運びましたので、現地での「ユリス・ナルダン」についても別ブログでご紹介させていただければと思います!
今回のブログはいかがでしたでしょうか?
ぜひ、店頭で「ユリス・ナルダン」の時計を手にしながら、その長い歴史に思いを馳せてみてください!
皆様のご来店をスタッフ一同お待ちしております。
モデル時計情報
今回ブログ内で取り上げた写真の時計についての情報です!
ブランド:ユリス・ナルダン
モデル:マリーン トルピユール トゥールビヨン
品番:1283-310-0AE/1A
ケース:42㎜
防水性:50m
価格:8,327,000円(税込)※2024年9月26日現在
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