先ほどはフュメダイヤルが発表された頃をご紹介いたしました。
では、そのフュメダイヤルはどこからインスピレーションを受け、制作されていたのでしょうか？

実はこのストーリーには面白いものがあります。
それは、フュメダイヤルの最初は引き出しに入っていた経年変化した文字盤でした。
つくられてから、時が経ち、幾度もの季節を超えて、経年変化を起こして変色した文字盤が美しく、それを再現したと言われております。
まさに温故知新ですね。古きを知り、新しいものを作る。

今回のブログを通じて１点他のブランドと違う点がありませんか？
実は、H.モーザーはブランドロゴの主張がないまたは透明で入っているブランドなのです。と言うのも、文字盤を見ただけでわかるブランドを目指しており、それはドイツの建築家「ミース・ファン・デル・ローエ」の名言「Less is more」の精神を体現しています。

上の写真のようなクリアラッカーのロゴに関しては、「純粋さとミニマリズムは、H.モーザー社のモットーで真の愛好家はブランドではなく、製品の本質的な価値を見極める」という表現の１つとも言っています。

「Less is more」とは、過剰なものより、ミニマルなデザインこそ美しい、と唱えたものであります。ここ最近のサステナブルファッションの流れでも、大量に生産して、大量に消費することより、大切なのは厳選された素材を使って、丁寧につくり、長く着る、という考え方です。この傾向は富裕層だけに限ったことではありません。Z世代の中にも、露骨なロゴアイテムより、ミニマルなデザインを好む人が増えている印象です。

機械式時計には、よくロゴやデザインが入ることがありますよね。H.モーザーはあえてそういった事を行わず、極めてシンプルに、しかし見る角度によってさまざまに変わる文字盤の表情を楽しんでいただく、またその歴史や物の本質を感じる時計でもあります。

ちなみにですが、こちらのカラーは「メガ・クール」と呼ばれるカラーです。通常英語を母国語とするアメリカやイギリスでは、聞かないメガ・クールと言う単語の組み合わせ。シンガポールで使われている英語であるシングリッシュと似ていて、その土地ならではの表現となります。
「クール」は英訳のクールと一緒で、かっこいい！やイケてる！などを指します。
メガは通常サイズを示す言葉なのですが…。ここでは「クール中のクール」と言う意味となります。

国が違うと同じ英語でも表現が変わってくるところが面白いですよね！

いかがでしたでしょうか？
昨今アパレル業界を含め賑わうトレンドの１つ、クワイエットラグジュアリー。
今回は時計業界におけるクワイエットラグジュアリーを体現したブランドをご紹介いたしました。

実はH.モーザーは、歴史や時計の製造についてなどベールに包まれている部分も多く、思いを馳せると言う意味ではとても面白いブランドでもあります。
皆さまは、H.モーザーについてどう思いますか？

次回はさらに詳しくH.モーザーの時計をご紹介していきます！

ブランド：H.モーザー
モデル：パイオニア・センターセコンド メガ・クール
品番：3200-1214
ケースサイズ：42.8㎜
ケース素材：ステンレススチール
防水性：12気圧
現在の価格：¥2,486,000 （税込）