【ユリス・ナルダン】戦時中もマリンクロノメーターをEU各国を納品し、スイスの永世中立国を保ったブランドが現在の技術を総動員して開発したダイバーウォッチ「ダイバー クロノメーター」とは?

【ユリス・ナルダン】戦時中もマリンクロノメーターをEU各国を納品し、スイスの永世中立国を保ったブランドが現在の技術を総動員して開発したダイバーウォッチ「ダイバー クロノメーター」とは? - ULYSSE NARDIN

皆さま、こんにちは。谷です。
2月に入りましたが、いかがお過ごしでいらしゃいますでしょうか?
いきなり寒波がやってきて、寒いですね…。
そんな寒いなか私は外に出て、走り、その後に浴びるシャワーが大好きです。

さて、今回は少し気分は早いですが「ダイバーウォッチ」についてお伝えしていきたいと思います。
ダイバーウォッチといえば色々とあるかと思いますが、ユリス・ナルダンのダイバー・ウォッチは海を少しでも語るでのあれば外すことができません。

では、どんな点がすごいのでしょうか?
スイスが永世中立国を守った理由の1つと言われるマリンクロノメーターを各国に納品していたユリス・ナルダンが作る「ダイバー クロノメーター」を今回はご紹介していきます。

 

クロノメーターはスイスの中立国としての立場を守る1つの手段でもあった?そのわけとは?

【ユリス・ナルダン】戦時中もマリンクロノメーターをEU各国を納品し、スイスの永世中立国を保ったブランドが現在の技術を総動員して開発したダイバーウォッチ「ダイバー クロノメーター」とは? - ULYSSE NARDIN

スイスといえば国土の約7割が森林となっており、自然に覆われています。
北西には、ジュラ山脈。南東にはアルプス山脈からなっており、もともと攻めることが難しい土地でもあります。
しかし、だからといって攻められないというわけではないのです。
立地としては、ドイツ・フランス・イタリア・オーストリア・リヒテンシュタインの5カ国にも囲まれている国でもあります。

1815年にスイスは永世中立国を宣言し、欧州列強がウィーン会議でスイスの永世中立を承認したのが始まりです。
さらに1907年のハーグ条約では中立国の権利や義務が明文化され、義務は戦争不参加・権利は領土の不可侵などです。
そうしてスイスはヨーロッパ各国の戦時中は緩衝材として働く役割を担いながらも、戦争を仕掛けてきた国に関しては容赦無く軍事行動を取るため、現在も19歳前後の男性は兵役があります。

19歳前後に徴兵のレターが届き、検査を受け、兵役が決定した人物は、そのおおよそ1年後に出陣命令が下ります。
それから4か月間の間、基礎的な訓練や所属する兵科の専門的な訓練を受けます。
そして、その後も毎年出陣命令が届き、3週間復習訓練を受けます。このようにして常に戦争に対して、準備をしています。
また、各国との国境をつなぐトンネルや橋には爆弾が仕掛けられていた時代もあると言われていたり、各家庭にはシェルターがあったりもします。
このようにいつでも臨戦体制を整えているのが中立国です。
一方で、スイスには戦争を行っている国に対して平等に物的支援をする必要があります。
武器や戦車などはもちろんですが、1800年代ごろから1900年代は時計も同じく必要なものでした。そのため、スイスは各国に懐中時計やマリンクロノメーターを輸出したのです。

ユリス・ナルダンはその中でも有名なブランドの一つでもあり、最も優れたマリンクロノメーターを作る時計会社でもありました。
船舶用のクロノメーターに求められたものは、「航海において海上での位置や経度を割り出す」ことでした。
そのためには振動や温度変化強い高精度な機械式時計が必要でした。

「ユリス・ナルダン」は、1876年から1975年にかけて50個近くのマリンクロノメーターを製作。
そして、それらはイギリス海軍、アメリカ海軍、ロシア海軍、そして日本海軍など世界中の海軍に納品した証があります。
ちなみにイギリスは1860年当時、すでに200隻以上配備していた英国海軍には、800個のクロノメーターが保有されていたと言われています。19世紀に大海を自由に航海できるようになったイギリスは、7つの海を支配し、産業革命によって世界の工場と呼ばれる絶頂期を迎えますが、これにはクロノメーターの開発と製造が大きな役割を果たしたのでした。

高性能なマリンクロノメーターを生み出したユリス・ナルダン。そんなブランドが生み出すダイバー時計とは?

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スイス・ユリス・ナルダンの歴史を辿ったところで現行モデルである「ダイバー・クロノメーター」についてお伝えしていきます。

【ユリス・ナルダン】戦時中もマリンクロノメーターをEU各国を納品し、スイスの永世中立国を保ったブランドが現在の技術を総動員して開発したダイバーウォッチ「ダイバー クロノメーター」とは? - ULYSSE NARDIN

「ダイバークロノメーター」は、機能美と大胆なデザインの融合を再定義するコレクションです。
この時計は水深300m、すなわち命に関わる危険性がある水圧にも耐えうるように設計されたダイバーズウォッチであり、中でも文字盤の中心に向かって逆反りに落ち込んでいるデザイン(窪んでいることからコンケイブベゼルと呼ばれている)は時計製造における革新と呼んでも過言ではありません!

 

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また、インデックスと針にはスーパールミノバを施すことで、暗闇の中でだけでなく、深海でも視認性を確保します。
ただインデックスと針にスーパールミノバを施すだけでなく、インデックスには文字盤上から浮かび上がるように凹凸をつけて、針には視認性を重視した上で、メインの針の軸をスーパールミノバで挟むといった手法で施しています。
そうすることによりさらに視認性を強化し、見やすくしています。

【ユリス・ナルダン】戦時中もマリンクロノメーターをEU各国を納品し、スイスの永世中立国を保ったブランドが現在の技術を総動員して開発したダイバーウォッチ「ダイバー クロノメーター」とは? - ULYSSE NARDIN
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光を最大限吸収させて暗い場所で光らせた場合
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光を最大限吸収させて暗い場所で光らせた場合
【ユリス・ナルダン】戦時中もマリンクロノメーターをEU各国を納品し、スイスの永世中立国を保ったブランドが現在の技術を総動員して開発したダイバーウォッチ「ダイバー クロノメーター」とは? - ULYSSE NARDIN
光を最大限吸収させて暗い場所で光らせてから3分後
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光を最大限吸収させて暗い場所で光らせてから3分後

文字盤には12時位置にパワーリザーブ表示を、6時位置に日付表示とスモールセコンドを設け、そのすべてを包み込むように逆回転防止ベゼルがあしらわれています。ベゼルには0、15、30、45の数字があしらわれています。また、頑丈なラバー製ガードがベゼルを保護しています。

 

【ユリス・ナルダン】戦時中もマリンクロノメーターをEU各国を納品し、スイスの永世中立国を保ったブランドが現在の技術を総動員して開発したダイバーウォッチ「ダイバー クロノメーター」とは? - ULYSSE NARDIN

実用性だけではない!?デザイン性も重視されたダイバー クロノメーター!

【ユリス・ナルダン】戦時中もマリンクロノメーターをEU各国を納品し、スイスの永世中立国を保ったブランドが現在の技術を総動員して開発したダイバーウォッチ「ダイバー クロノメーター」とは? - ULYSSE NARDIN

ダイバー時計の最も大きな特徴はシンプルかつ実用的なこと。
しかしながらそれでは面白くないですよね?
個人的にこの時計のおすすめしたいポイントは、実用性だけでなくデザイン性も重視されているということです。
12時位置のパワーリザーブ表示と6時位置に日付表示とスモールセコンドは、文字盤より一段下がっており、よりベゼルやインデックスの立体感を強調します。
シンプルな時計でありながらもデザインの計算があらゆる面で行われており、美しい時計でもあります。

 

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また、他のユリス・ナルダンの時計と異なりロゴのところにもこだわりが見えます。
通常ユリス・ナルダンの代名詞であるマリーン・トルピユールやヴァンデ・グローブのロゴは下記のようになります。
プリントされているものがメインで、立体的なものではありません。

【ユリス・ナルダン】戦時中もマリンクロノメーターをEU各国を納品し、スイスの永世中立国を保ったブランドが現在の技術を総動員して開発したダイバーウォッチ「ダイバー クロノメーター」とは? - ULYSSE NARDIN
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しかし、こちらの「ダイバークロノメーター」に用いられているのはプリントではなく立体的なロゴで、面取りやエッジの落とし方、44mmのバランスに対してのロゴのバランス/クロノメーターだからこそこだわりを持っている時計であることを証明しています。

【ユリス・ナルダン】戦時中もマリンクロノメーターをEU各国を納品し、スイスの永世中立国を保ったブランドが現在の技術を総動員して開発したダイバーウォッチ「ダイバー クロノメーター」とは? - ULYSSE NARDIN

ムーブメントも魅力的!シリコンでできたヒゲゼンマイダイアモンドを用いたガンギ車&アンクルとは?

【ユリス・ナルダン】戦時中もマリンクロノメーターをEU各国を納品し、スイスの永世中立国を保ったブランドが現在の技術を総動員して開発したダイバーウォッチ「ダイバー クロノメーター」とは? - ULYSSE NARDIN

簡単にいうと、シリコンで作られているヒゲゼンマイと合成ダイヤモンドとダイヤモンドを組み合わせたガンギ車とアンクルを作成したユリス・ナルダン。
2001年に時計業界にシリコンを導入したのは「ユリス・ナルダン」が初めてのことだと言われており、当時は型破りと言われたシリコンも現在はさまざまなブランドがチャレンジをし、市場をさらに開拓しています。
また、2007年にはシリコンと合成ダイヤモンドを組み合わせて特許を取得した加工技術「ダイヤモンシル」を発表。
時計の耐久性や精度、耐磁性が格段にアップしました。

ユリス・ナルダンはこの画期的な素材を使用している唯一のメーカーでもあります。

そのような技術が、今回ご紹介する時計にも用いられており、精度としても非常に高いのが特徴です。

 

まとめ

【ユリス・ナルダン】戦時中もマリンクロノメーターをEU各国を納品し、スイスの永世中立国を保ったブランドが現在の技術を総動員して開発したダイバーウォッチ「ダイバー クロノメーター」とは? - ULYSSE NARDIN

いかがでしたでしょうか?
さまざまなダイバーウォッチが世の中にはありますが、ユリス・ナルダンのダイバー・クロノメーターはデザイン・実用性共に非常に考えられたものではないでしょうか?

シンプルでありながらも、そこに詰め込まれたデザイン性・歴史・実用性は驚くべきものです。
バランスが取れた1本ではないでしょうか?

ぜひ、そのほかモデルも含め店頭にてご覧いただけますと嬉しいです!
皆さまのご来店をスタッフ一同お待ち致しております。

時計情報

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ULYSSE NARDIN(ユリス・ナルダン)
モデル名:ダイバー クロノメーター
品番:1183-170-3/93
ムーブメント:自動巻き(キャリバー UN-118)
ケース素材:チタン
ベルト:ラバー&チタンリンク
防水:300m防水
サイズ:44mm
その他特徴:パワーリザーブ約60時間、時、分、スモールセコンド、パワーリザーブインジケーター、デイト、※シリシウム製ヒゲゼンマイ、※ダイアモンシル製ガンギ車&アンクル、一方向回転コンケイブベゼル
振動数:4Hz 毎時28,800振動
文字盤:サンドブラスト
価格:¥1,617,000 (税込)