カレンダーの不規則なデータを時計に組み込んだ、A.ランゲ&ゾーネ「1815アニュアルカレンダー」
本日はA.ランゲ&ゾーネから、シルバー文字盤にブルー針とムーンフェイズが美しく映える「1815アニュアルカレンダー」のご紹介。
時計の’’時’’を合わせる。
これはユリウス・カエサルと教皇グレゴリウス13世が、日常に使われるカレンダーが天体の現実に忠実になるようにと、数世紀の感覚を置いてそれぞれ決めたことです。ユリウス・カエサルという方は、日本では、シェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』で有名なので、ジュリアス・シーザー皇帝です。ローマ帝国の最高権力者でありクレオパトラの愛人だった、あのシーザーです。
実際には複雑なことで、人類にとっては永久に続く挑戦です。
A.ランゲ&ゾーネは、カレンダーの不規則なデータを時計に組み込みました。
英語で「アニュアルカレンダー」と呼ばれることも多い「年次カレンダー」。
アニュアルカレンダーは月の大小を考慮しますが、2月は例外です。手動で3月1日まで進めませんと自動的に31日まで表示してしまいます。なので、1年に1回、3月1日に調整するだけで翌年2月の月末まで、毎日の日付、曜日、月を自動表示する非常に便利な機構です。
1年に一度の修正で済む「アニュアルカレンダー」は、通常のカレンダーと永久カレンダーとの間を埋めるための技術でした。実は、パーツ数も多くなり値段に反映する永久カレンダーよりも、実用的で部品数も少なくコストも抑えることができます。
こちらのモデルには、アニュアルカレンダーの他に、日付、曜日および月表示のカレンダー表示の他に、誤差が1日分に累積するのに122.6年かかるという緻密な計算に基づいて設計された「ムーンフェイズ表示」も搭載しています。多機能でありながら文字盤のレイアウトもスッキリとまとまっています。
1815コレクションならではの、特徴的な文字盤も印象的です。読み取りやすいアラビア数字、ブルースチール針
中央部分を一段低くした文字盤を採用しています。
また、デザインの中で特徴的なのは、線路をイメージしたレイルウェイモチーフの分目盛りを備えた文字盤です。これは、鉄道の開通によって懐中時計の重要性が増した時代の彷彿とさせるデザインで、F.A.ランゲが工房を創業した時期と重なっています。
その内部で時を刻むムーブメントは、A.ランゲ&ゾーネの全ての時計と同じく、自社製で部品の一つ一つに手作業で仕上げ装飾を施したものです。かつてランゲが製作した懐中時計からインスピレーションを得たデザインが詰まっています。
まず、4分の3プレートは、A.ランゲ&ゾーネの伝統的要素を代表する部品です。1864年にフェルディナント・アドルフ・ランゲが採用して以来、ドイツ・ザクセンで製作される時計の特徴になりました。4分の3プレートは、輪列の軸受けの役割を果たします。いくつもの軸を同時に押さえなくてはならないため、その組立てには確実な手さばきが要求され、根気と集中力が欠かせません。通常使用される独立タイプの受けに比べて、この構造ではムーブメントの安定性が大幅に向上します。また、4分の3プレートによって歯車の軸間距離誤差が減少するほか、特に昔の懐中時計では外から侵入する汚れからムーブメントを守る効果もありました。
そして、美しいブルースティール。二次組立てでは、仮留めに使用したネジに代えて、熱処理で美しい青色に染まったブルースクリューを取り付けます。この独特の青色は、約300度でゆっくりと加熱することによって得られます。スチールの表面を覆う極薄のマグネタイト(四酸化三鉄)層が、光波のオーバーラップによる干渉効果により自然光のブルー以外の色素を吸収するため、深いブルーに見えるのです。青い輝きを放つビスが、洋銀製の受けと地板に一際美しく映えています。
中でもテンプ受けの手彫りの花模様にはエングレーバー独自の作風が表れています。テンプ受けのエングレービングは職人のいわば筆跡に相当します。この小さな部品に職人がフリーハンドで花のモチーフを彫刻することにより、ランゲウォッチの1本1本が一点物になります。スワンネック形のバネと側面にある調整用ビスも、ムーブメントの特徴です。これは速度を微調整するための部品です。
どこをとっても見応え十分の「1815アニュアルカレンダー」。ホワイトゴールドケースにシルバー文字盤が好印象で大変素敵な時計です。ぜひ実物を店頭でご覧ください。
モデル名:1815アニュアルカレンダー
品番:LS2383AP 238.026E
ムーブメント:手巻き(ランゲ自社製キャリバーL051.3)
ケース:18Kホワイトゴールド
ケース径:40mm
その他機能:日付針、曜日針および月針付きアニュアルカレンダー、ムーンフェイズ表示、パワーリザーブ72時間
価格:¥5,247,000円(税込)
A.LANGE&SÖHNE(A.ランゲ&ゾーネ)について
ドレスデン出身の時計師フェルディナント・アドルフ・ランゲは、1845年に時計工房を設立し、ザクセン高級時計産業の礎を築きました。彼が製作した価値の高い懐中時計の数々は、今でも世界中のコレクター達の垂涎の的となっています。第二次世界大戦後、東ドイツ政府によりA.ランゲ&ゾーネは国有化され、一時はその名が人々の記憶から消え去ってしまうかと思われました。しかし1990年、フェルディナント・アドルフ・ランゲの曾孫ウォルター・ランゲがブランドを復活させます。現在では、ゴールドまたはプラチナケースを使った腕時計が、毎年数千本のみ製作されています。A.ランゲ&ゾーネの時計には必ず、自主開発され、手作業で入念な装飾と組み立てを行なったムーブメントが搭載されています。1994年以降に開発された自社製キャリバーは62個を数え、A.ランゲ&ゾーネは世界でも最高峰の地位を確立しました。その代表作には、一般モデルとして初めてアウトサイズデイトを搭載しブランドを象徴するモデルとなったランゲ1や、瞬転数字式時刻表示を搭載したツァイトヴェルクがあります。稀に見る複雑機構を搭載するツァイトヴェルク・ミニッツリピーター、トゥールボグラフ・パーペチュアル”プール・ル・メリット”、トリプルスプリットは、受け継がれてきた時計作りの技をさらに高めようとするA.ランゲ&ゾーネの真摯な姿勢を体現した時計です。
他にも、A.LANGE&SÖHNE(A.ランゲ&ゾーネ)を多数店頭にて取り揃えております。
ぜひこの機会に、A.LANGE&SÖHNE(A.ランゲ&ゾーネ)のコレクションをご覧ください。ご試着も可能ですので、お気軽にお申し付けください。