パーペチュアルカレンダー搭載。ジャガールクルト マスター・ウルトラスリムの技術的な美しさとは?
皆さま、こんにちは!渡辺です。
今回ご紹介する時計はジャガー・ルクルトの『マスター・ウルトラスリム・パーペチュアル』をご紹介いたします。本記事では、ブランドの歴史から、時計の文字盤やケースの作りこみ、パーペチュアルカレンダー機構の歴史からしくみをお伝えいたします。ぜひ最後までお付き合いください。
商品名:マスター・ウルトラスリム・パーペチュアル
品番:Q1302520
ムーブメント:ジャガー・ルクルト製キャリバー868/1
ケース:18Kピンクゴールド
ケースサイズ:39mm
防水性:5気圧防水
厚さ:9.2mm
機能:年, 永久カレンダー, 日付, 時、分表示, 曜日, 月, ムーンフェーズ, 秒
価格:¥6,380,000(税込み)
歴史
スイスのカントン・ヴォーには、ジュラ山脈の海抜1000メートル地点に、ヴァレ・ドゥ・ジュウと呼ばれる峡谷があります。その名は精密に製造された時計を愛する者にとって特別の意味を持っています。
この峡谷は、樹木でおおわれた丘陵を隔てて位置する2つの湖を従え、冬が長く厳しいことで有名です。家々は強い西風から身を守るようにして、金属でおおわれています。16世紀、ユグノー達は宗教的迫害から逃れるために、誰も近づかない氷で覆われてたヴァレ・ドゥ・ジュウに身を寄せ、忍耐強く手工芸の技能を磨き始めました。こうして精進する中、金属細工を特技としていた彼らは、オルゴール、自動装置、時計のムーブメントなどといった複雑な装置の初めての製作に成功しました。19世紀に入ると「コムビエ」と呼ばれるこの峡谷の住人達は、手作業による時計製造に関する技術を全て体得し、技術の完成度は世界中の他を寄せ付けないものまでになりました。
今日では、大勢の人々がヴァレ・ドゥ・ジュウを世界最高峰の時計メーカーの故郷と考えています。特にルクルト家は、たゆまない努力と不断の改良を通じて一躍有名になりました。ル・サンティエという町に落ち着いたルクルト家は、かみそりの製造から始まって。オルゴール、鍵盤楽器の製造に移り、最終的に高い精密度をほこる時計部品の製造に至りました。そして、ジャガー・ルクルトの時計製造の長い歴史が1833年に始まったのは、このル・サンティエにおいてです。ジャガー・ルクルトは、それ以来、一貫して時計を製造し続けています。
ルクルトという名前は魔術師のように数々の偉業をうちたて社名の片割れ
創始者アントワーヌ・ルクルトの精神は、ジャガー・ルクルトの時計に息づいています。
1803年、ルクルトの名を世界に知らしめることとなったひとりの男の子がル・サンティエに生まれました。それは、シャルル=アントワーヌ・ルクルトです。彼は、1559年にル・サンティエに落ち着いたピエール・ルクルトの末裔に当たり、父親アンリ=ダビドは機械装置を製造する鉄工場を操業してきました。彼はここで見習いとして働き、冶金、歯車、脱進機の技術を学び取りました。1833年になると彼はこの工場を離れ、弟のユリースとともにル・サンティエに時計の歯車を製造する会社を設立しました。彼は新しい製造工程と製造法の開発に、自らのエネルギーと工学的才能を注ぎました。彼が1844年に製作したミリオノメーターは、部品を最も近いミクロン(1メートルの百分の一)で測定することのできる最初の装置となりました。
会社は成長を続け、時計の半完成品ばかりでなく、精密部品にも製造するまでになり、1860年までには従業員の数が100名に達していました。アントワーヌ・ルクルトの息子、エリー、ポール、ベンジャミンは、父親と同じ道に進みました。ルクルトは複雑なムーブメントの製造にいち早く着手し、リピーター、クロノグラフ、カレンダー付きムーブメントを他に先駆けて製造しました。
会社の規模は、エリーの息子ジャック・ダビドが会社に入った1899年までに、メーカーとしてヴァレ・ドゥ・ジュウ最大となっていました。アルザス地方でクロノメーターを製造するエドモンド・ジャガーとの事業提携を1903年にパリで結んだのは彼でした。この提携がきっかけとなって、ルクルトに高級市場への道が開かれ、高級腕時計のシンボルであるジャガー・ルクルトの名前が生まれることになりました。1937年ジャガー・ルクルト社となる。
開拓者、発見そして数々の記録
18世紀初期において時計製造をリードしていたのはフランスとイギリスです。共に世界中を航海する上で正確な時間を知らなければならない商船や軍艦を多数擁していたからです。しかし、19世紀半ばに至って、時計作りにおける両国の優位は、スイスのメーカーが品質の良い時計の大量生産を開始したために崩れ始めました。携帯用の時計は、かつて権力の象徴とされていましたが、より多くの人々の間で愛用されるようになりました。それと同時に、時計作りが新たな段階に入りました。アントワーヌ・ルクルトは、その才能とチャンスを生かして、時計部品を今までにないくらいに精密に製造することのできる工作機械を設計、製作しました。その中のひとつのにあげられるのがミリオノメーターで、これによってメートル法が時計業界の側的基準として定着することになりました。
1847年に入って、彼は竜頭(りゅうず)巻きを開発し、これも時代の先駆けとなりました。彼は後継者は彼のパイオニア精神を受け継いでおり、同社が1833年創業以来登録している特許の数は数百にのぼっています。それから数十年後、ルクルト社は複雑化するムーブメントを次から次に開発し、スイス時計メーカーの雄に成長しました。1890年、同社は125種類にもおよぶムーブメントを生産し、1903年には懐中時計用のものとしては最も薄いムーブメントを発表しました。厚さは1.38mmでした。極めて薄いムーブメントとしては、このほかにも、クロノグラフの2.8mm、ミニッツ・リピーターの2.7mmのものがあります。
腕時計が懐中時計に取って代わる中、ルクルトには征服すべき新しい分野が生まれました。アールデコ期の小型腕時計には、1925年に開発されたキャリバー101で、これは今でも機械式ムーブメントとしては最小のもので、現在でも生産されています。
スプリットレベル・ムーブメントの付いた1925年の小型腕時計「デュオプラン」。
1925年に登場して以来、「キャリバー101」は機械式腕時計ムーブメントとして、世界最小。
1928年には革命的な置時計が登場しました。それは「アトモス」です。これは周囲の空気の温度のわずかな変化からエネルギーを得て作動する初めての置き時計でした。
1931年に発表された「レベルソ」は、世界でも最も名の知られた時計の一つとして数えられており、アールデコ・クラシックとして、装飾アートのムーブメントの歴史にその名を刻んでいます。
50年代と60年代には、数々の革新的な腕時計が登場しました。「ジオマティック」は特別な磁気防止機能を備えたクロノメータームーブメントでした。
1953年に登場した「フーチャーマティック」の画期的な「キャリバー497」自動ムーブメントは、竜頭を必要としませんでした。そして1956年に登場した「メモボックス」は、自動アラームのついた初めての腕時計でした。
1833年、スイスの人里離れた渓谷で、アントワーヌ・ルクルトという名の素晴らしい発明家が小さな工房を開きました。
1847年、巻上げと時計のセッティングに鍵を必要としないシステムを開発する
1931年、レベルソ(cal.11L0)
1949年、メモボックス(cal.489.601) cal.481(1948年~)インジケーター
1956年、メモボックス半回転式(cal.815)
機械式時計の生命が絶たれかねなかった危機的な時期を乗り換えた後の1980年、それまで押さえつけられていたアイデアが一気に吹き出し、全く新しい時計が続々と登場しました。
概要
ジャガー・ルクルトの卓越した技法が生み出す、端正かつ洗練された装いをまとうピンクゴールド製の「マスター・ウルトラスリム・パーペチュアル」。複雑機構を搭載した高級時計の愛好家の心を揺さ振ります。
端正かつ洗練されたピンクゴールド製のケース素材にエッグシェルベージュ, ゴールドプレートの温かみのあるダイヤルを備えたパーペチュアル。ブラウンのアリゲーターストラップも温かみや、紳士的な印象を与え魅力いっぱいです。
象徴的な複雑機構
永久カレンダーの機能を持つ同じサイズの3つのカウンターは、9時位置に曜日、3時位置に日付、そして6時位置に月を表示します。ダイヤル上部に控え目に配されたムーンフェイズでは、様々に形を変える月が舞っています。
セキュリティレッドゾーンとは
時針と分針の軸の上にある扇状の小窓には、日付の変更禁止時間帯を知らせるセキュリティレッドゾーンと呼ばれる小窓があります。
写真をぱっと見る限り、多くの時計に日付の変更禁止時間帯はありますが、表示している時間帯が午前の10時10分なのか、午後の22時10分なのか見分けがつきません。写真の小窓では半分が白く、もう半分が青くなっていますが、この青色が見える夜の21時~夜中の3時の間はシングルコレクターによる調整をしないでくださいという意味の表示があり、使用者にとって非常に便利な機能を備えています。
たとえ文字盤の上に針が重なっても見えるように、針の根元に穴が空いていますので、セキュリティレッドゾーンは確認することができます。
勿論、リュウズの操作によって一日以上時間を早め、日付や曜日、月齢、月の調整も可能ではありますが、『マスター・ウルトラスリム・パーペチュアル』では、先程も記載したシングルコレクターと呼ばれる機能が備わっており、誤って日付などの同期解除を引き起こさないようになっています。
このサイドの部分を専用のプッシャーで押さえることで月齢・日付・曜日・月の変更をワンタッチで実行でき、つまりは2100年までのデータが全てプログラムされており、日付を調整してから月齢を確認してムーンフェイズを調整して、、、などのややこしい操作が一切ありません。
ちなみに、現在『ジャガー・ルクルト』が製造しているパーペチュアル機能が搭載されたモデルは全てこの機能を備えており、視認性だけでなく操作性の面でも非常に魅力的なモデルです。
究極の薄さ
厚さわずか9.2mmのケースは、グランド・メゾンのサヴォアフェール(ノウハウ)を象徴する極めて精巧な超薄型ムーブメントを宿しています。
グランド・メゾンの要であるジャガー・ルクルトのウルトラスリムは、20世紀の発明と類まれな想像の結果として、現代の時計作りの歴史に美しく刻まれています。1903年にフランスの海洋クロノメーター職人であるエドモンド・ジャガーは、テクノロジーと洗練された感性を統合したいと望みました。彼はウルトラスリムの開発に専念しました。彼の工房では、必要なパーツを加工することができなかったため、彼はスイスメーカーに向かいます。ジャック・ダヴィド・ルクルトは、この挑戦を受け、2人はパートナーシップを結びました。そして、世界で一番薄いキャリバーを作り出しました。1907年に懐中時計として誕生したキャリバー ルクルト145は、1.38ミリという薄さを誇り、その分野では現在でも世界で一番薄いキャリバーとなっています。ジャガー・ルクルト マニュファクチュールに愛されたウルトラスリムの伝統を深めながら、たった1.85ミリ幅のハンドメイド加工されたキャリバー849が1994年に誕生しました。たった3.98ミリ幅の自動巻きキャリバー896は、モントルマスター・ウルトラスリム・スモールセコンドウォッチに採用されています。
そして、パーペチュアルという複雑機構が搭載されているとは思えない程のスリムなケースは圧巻です!さすがはジャガー・ルクルトです。
パーペチュアルカレンダー
ケース素材
ケース素材は繊細な印象のピンクゴールドを採用しています。エッグシェルベージュと呼ばれる柔らかな印象の文字盤ととても相性の良いカラーです。
ストラップ
ストラップはブラウンのアリゲーターストラップを採用。
ケースバック
ケースバックはシースルーバックになっていて、いつでも美しいジャガー・ルクルト製キャリバー 868/1を眺めることができます。
時計のケースサイズは39mm。どなたの腕でもおさまりの良いケースサイズです。
まとめ
ジャガールクルト「マスター・ウルトラスリム・パーペチュアル」(品番Q1302520)は、時計の持つ芸術性と技術力を象徴する逸品です。この時計は、単に時間を示す道具ではなく、クラフトマンシップと革新の結晶であり、感動を与える特別な存在だと思いました。
まず、そのデザインの美しさが際立ちます。シルバーのサンレイ仕上げのダイヤルは、シンプルながらも洗練された佇まいを持ち、ムーンフェイズやパーペチュアルカレンダーの複雑なディスプレイと完璧に調和しています。このエレガントなレイアウトは、ジャガールクルトが誇る高度なデザイン哲学を体現し、視覚的な美しさと機能性のバランスを見事に実現しています。薄型のケースは着用感が軽やかでありながら、存在感は十分で、あらゆるシーンで主張しすぎない上品さを放っています。
内部に目を向けると、搭載されている自社製キャリバー868は、パーペチュアルカレンダーという複雑な機構を、極めて薄いケース内に収めるという技術的な挑戦を見事に成功させています。時計内部の数百ものパーツが精密に組み合わされ、日付、曜日、月、閏年、そしてムーンフェイズを永遠に刻み続けます。この驚異的な精度と信頼性は、所有者に安心感を与え、長い歴史に培われたジャガールクルトの技術の高さを実感させてくれます。
また、この時計は歴史や文化も強く感じさせます。ジャガールクルトは1833年に創業したスイスの名門ブランドであり、その伝統と革新の精神が「マスター・ウルトラスリム・パーペチュアル」にも色濃く反映されています。パーペチュアルカレンダー機能を搭載した時計は、時の流れと共に進化してきたブランドの象徴でもあり、その所有は単なる時計を超えた時空を超えた感動を与えます。
さらに、ケースの薄さからくる腕元の快適さ、リューズを巻く時の感触、そしてムーンフェイズの美しさに心を奪われる瞬間など、身に着けるたびに新たな魅力を発見できます。こうした細部に至るまでの工夫が、時計との深いつながりを生み出し、日常をより豊かに彩ります。
「マスター・ウルトラスリム・パーペチュアル」は、デザインの美しさ、技術の精密さ、そしてそれが語る歴史の重みをすべて兼ね備えたタイムピースです。その存在は、身に着ける人に深い満足感をもたらし、時計が持つ多層的な魅力を存分に味わえる、まさに傑作と言えるでしょう。
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