【ケースについて】

細身のラグにはカーブが施され、腕にしっかりとフィット。これにより、装着感が良く、ポリッシュ仕上げとサテン仕上げのコントラストが光を受けて美しく輝きます。3時位置に配置されたリューズは、細かい溝が刻まれ、触り心地と操作性に優れています。装着時も手首に邪魔にならない絶妙なサイズ感で、実用性とデザインのバランスが完璧です。

【文字盤や針について】

パノマティックルナの文字盤は、熟練職人が手作業で作り上げたもので、細やかな工程を経て完成されています。シルバーの文字盤に施された青焼きの針やアプライドインデックスは、光を受けて美しく映え、視認性が高いだけでなく、クラシカルなエレガンスを漂わせます。黄金比に基づく左右非対称のデザインは、ムーンフェイズやパノラマデイトを絶妙に配置し、視覚的なバランスを保ちながらも、複雑でありつつ整った印象を与えます。壮麗なムーンフェイズディスプレイは、ムーンディスクもすべてグラスヒュッテ・オリジナルの自社製です。小さなフライス工具で2つの月をドーム型に丁寧に切り出してから、ダイヤモンドミリング加工で月の表面を研磨し、独特の輝きを与えています。

パノラマデイトもまた、鮮明なコントラストを持ち、日付表示が大変読みやすいです。パノラマデイトは他のドイツ時計でもよく採用されている通常のビッグデイトと異なり、1の位と10の位の間に段差がほとんどありません。グラスヒュッテ・オリジナルのパノラマデイトは2つのプレートを同心円状に組み込むことで、ムーブメントのスペースを小さくし、文字盤と日付表示の段差をなるべくつけないようにしています。パノラマデイトは、メイン文字盤と同じくシルバーの背景にブラックの文字で数字が表示され、非常に鮮やかなコントラストを生み出しています。

時計の左側にある時分針を備えた大きなサブダイヤルと秒を示すスモールセコンドは、一部がオーバーラップするように配置されています。

ふたつのサブダイヤルが重なる部分には”GLASHUTTE I/SA（グラスヒュッテ・イン・ザクセン）”と刻まれています。I/SAはin Sachsen（イン・ザクセン）を意味し、1845年からドイツの時計製造の中心地であり続けているザクセン州グラスヒュッテで製造された時計であることの証となっています。

【ムーブメントについて】

裏蓋から見えるのは、グラスヒュッテ・オリジナルの自社製ムーブメント「キャリバー90-02」。

伝統的な3/4プレートを採用し、耐久性と美しさを兼ね備えています。表側に劣ることのない美しさをムーブメントで表現しているのも、パノマティックルナの見どころのひとつです。特徴的なのは、香箱からガンギ車までを綺麗に覆うドイツ時計伝統の3/4プレートです。可動部品を一枚の大きなプレートで覆うことで、耐衝撃性を高めています。一方で、何枚もの歯車をこの１枚の大きなプレートの溝に合わせなくてはならないため、熟練者でなければ組み立てることはできません。

手作業で施されたグラスヒュッテ・ストライプやダブルスワンネック緩急針など、ドイツ時計ならではの装飾が魅力です。

プレートの上に施されたエングレービングは一つひとつ異なる手作業によるもので、まさに唯一無二の仕上がりとなっています。視覚的な美しさと技術的な精度が見事に融合し、時計の裏側まで楽しめる点は、このモデルの大きな魅力です。

【ベルトについて】

ベルトには、艶のあるブラックのルイジアナ・アリゲーター・レザーストラップが採用され、時計全体のエレガントさを引き立てています。また、ステンレススティール製のブレスレットや、リサイクル素材を使用したシンセティックストラップも用意され、シーンに合わせたアレンジが楽しめます。

【まとめ】

パノマティックルナを手に取ると、その完成度の高さに圧倒されます。シルバーの文字盤は光を反射してさまざまな表情を見せ、ブルースチールの針が優雅に輝きます。左右非対称のデザインも視認性を損なうことなく、情報量が多いながらも見やすさを保っています。40mmのケースは適度な重量感があり、長時間着けていても疲れを感じることはありません。

裏蓋から見えるムーブメントの美しさは圧巻で、時計の所有者に特別な喜びをもたらしてくれます。パノマティックルナは、そのデザイン、機能、美しさすべてが調和した非常に高い完成度を持つ時計であり、時計愛好家やエレガントなスタイルを求める方に自信を持っておすすめできる逸品です。