『ユリス・ナルダン』が生まれたのは、1846年。創業者のユリス氏は自身の名前を取り入れた会社をル・ロックルに設立しました。
その頃のヨーロッパは産業革命が起こり市場や植民地を手に入れるための移動手段の開発、それに伴う大規模な海洋調査が行われ、国際貿易が発展していきました。

そのような時代背景の中、ユリス・ナルダン氏は複雑なポケットウォッチの作成の傍ら航海用の独自のマリンクロノメーター開発に着手します。
スイスの山奥で作られる時計は主に懐中時計だった時に、彼は航海用のマリンクロノメーターを制作したのです。
当時は、鉄道が走り、一度に大量に人やモノの輸送ができるようになりました。そして、ヨーロッパ・ロシア圏内はさらに移動が安易になりました。そうすると一般の人々も時刻に合わせて駅や移動先に向かうため懐中時計が必要となります。そうして、時計産業はさらに発展していきます。

先見の目を持ったユリス氏は懐中時計を作るかたわら、さらに先を眺めます。
彼が見たその先こそ「海」なのでした。しかしながら、当時は非常に精度の高い懐中時計を作ることすら難しい時代…。荒波を超え、目指す方角を指し示すのに天体や高度な計算が用いられる時代に彼は高性能なマリンクロノメーターを制作するのです。

船舶用のクロノメーターに求められたものは、「航海において海上での位置や経度を割り出す」ことでした。
そのためには振動や温度変化強い高精度な機械式時計が必要でした。

ユリス・ナルダンが昔に制作した時計と現行モデルを比較しても12時位置のパワーリザーブインジゲーター・6時位置の大型スモールセコンド・ローマ数字やカセドラル型の針のデザインなどはしっかりとDNAとして「マリン トルピユール」に受け継がれており、古典的なマリンクロノメーターであることを象徴しています。

個人的には、ブルー文字盤は古典的なマリンクロノメーターのデザインを受け継ぎながら、現代的にデザインを再解釈し、ブルー文字盤のサンレイ仕上げで都会的でありながら、海につながりのあるユリス・ナルダンらしいデザインだと感じます。

ロルフ・W・シュナウダーによって、1982年に買収された「ユリス・ナルダン」は更なる発展を遂げます。
それは、時代に合わせて持っている技術を小出しに出していくことでした。それはまるで手品師のように出す品を変えていきます。
最もそれを顕著に示しているのは「フリーク」ですが…。実は「マリン トルピユール」に搭載されているムーブメントも劣らないのです。

一見、シンプルにみえる「マリン トルピユール」のムーブメントですが、実際は物凄く現代に寄せているムーブメントでもあります。
例えば、エスケープメントホイールとアンカーにダイアモンシルを採用し、260個の部品が調和して完璧な外観と正確な性能を実現していることです。
このムーブメントの最大の特徴が着用中に双方巻き上げのローターがより一層巻き上げ効率を上げ、実用性を追求していきます。
実際に装着すると、パワーリザーブインジゲーターがほとんど減ることなく、しっかりと巻き上がります。
また、UN-118 と呼ばれるこちらのムーブメントはデイトの逆戻しも可能な点が実用性を押し上げます。
間違って日付を進めてしまった場合や中・長期間使用しなかった際に逆戻しした方が早い時などには非常に便利ですよね！

本当はまだまだ語る点があるのですが…。
あまりにも長くなってしまいそうなので、次の機会にお伝えできればと思います！
いかがだったでしょうか？
個人的には現代のビジネスマンにはぴったりの１本ではないかと思います。
会議や出先でパッと時間を見たい時の視認性よさ、ダイヤモンシルを用いた脱進機とアンカーで耐磁性に強いこと、日付の逆戻しができることなど、利便性の高さは◎ではないでしょうか？

また、他の方と被らないデザイン性・歴史を持ったマリンクロノメーターデザインもグッときますね！
ぜひ一度店頭でご覧くださいませ！
皆さまのご来店をスタッフ一同お待ちいたしております。