ここ数年で一気に人気の広まったスケルトンを特徴とした腕時計。大きく分けるとダイヤルを肉抜きした『オープンワーク』とムーブメント側まで肉抜きをした『スケルトンウォッチ』があります。どちらも『スケルトン』と言われることが多いのですが実はその手法は大きく異なります。
まずオープンワークダイヤルを備えた腕時計とは、文字盤にレーザー加工などで肉抜きをしてムーブメントの一部を見せることができる手法です。ムーブメントなどは既存のものを使う事が出来、見た目に大きな変化を加えられます。
そして今日ご紹介するのはムーブメント側まで肉抜きを施したスケルトンウォッチです。

1985年に最初のパシャがリリースされ、それ以降根強い人気を誇っていた『パシャ』シリーズ。2020年にパシャシリーズはリニューアルされ、さらに洗練されたコレクションとなりました。定番のパシャから今回ご紹介しているスケルトンモデルまで、魅力的なラインナップとなっています。

今作ではそもそも『文字盤』が存在せず、アワーインデックスなどは全てムーブメントと一体化しています。ムーブメントを構成する全てが時計のデザインとなることを考えて開発・設計されており、非常に高度な技術と多くの時間を要します。
オープンワークも決して簡単な訳ではありませんが、ムーブメントをスケルトン化すること、さらにそこにインデックスなどの機能・デザイン要素まで取り入れたものとなるとその作業量は膨大に膨れ上がります。多くのスケルトンウォッチが高額になる事も頷けます。

特徴的なフォントのアラビア数字や『Cartier』のロゴ、スクエア型のミニッツマーカーなどもパシャシリーズ特有のものを踏襲しながらも必要以上の面積を取らず『見る楽しみ』を損ないません。

構成するほぼ全ての部品が見えるので、当然仕上げも美しく、時刻を見るだけでなく、時計そのものを見る楽しみも与えてくれるスケルトンウォッチ。是非一度、店頭にてご覧ください。