機械式時計のスペック、よく見かける【振動数】とは?

時計を購入前にまず最初にすることは?

時計の購入を検討する際に、まず最初に雑誌やウェブサイトでどんな時計があるのかを調べるお客様が多いと思います。

機械式時計のスペック、よく見かける【振動数】とは? - メンテナンス
やはり最初はご自身が知っているブランド、家族・友人が所有しているブランドから検討していき、デザインが気になる時計があれば次に興味を持つのはその時計の価格やスペックではないでしょうか?

時計のスペックについて

価格はブランドのオフィシャルのウェブサイトから調べることが可能です。
そしてその時計の持つ性能や仕様のことをスペックといい、時計の素材やケースサイズ、防水性、どんな機能があるかなどが雑誌やウェブサイト、カタログなどには記載されています。
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ケースの直径や防水などはなんとなく分かるかと思いますが、機械式時計の場合、【振動数】という言葉もよく記載されています。

機械式時計の振動数とは?

近年の機械式時計はケースバックがスケルトンになっているモデルが多く、そのような時計はケースの裏からムーブメントの動きを鑑賞することができます。
ルビーの爪石がついたアンクルとその隣のガンギ車からなる脱進機、往復運動を繰り返すテンプとヒゲゼンマイで構成される調速機が忙しなく動いている様子は心を奪われてしまいます。

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雑誌やウェブサイト、カタログなどで28,800振動や8振動と表記されているのは、時計の心臓部といわれているテンプの振動数になり、この部分が機械式時計の精度に影響します。
8振動の場合、テンプが1秒間に4往復しており、1時間で28,800振動しているということになります。

ロービートとハイビートについて

振動数は57振動のロービート、8振動以上のハイビートに分けられます。
歩度測定機の画像の【Beat number】が振動数になり、1時間に時計のテンプが何振動しているのかを表します。

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ロービートは海外ブランドでは高級ムーブメントに採用されることが多く、振動・衝撃に対してはデリケートですが、油飛びや摩耗が少ないのでメンテナンスサイクルが長いといった特徴があります。

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また海外ブランドの時計では8振動(28,800振動)がスタンダードであり、ゼニスやグランドセイコーのように10振動(36,000振動)を積極的に採用するブランドや、12振動(43,200振動)や20振動(72,000振動)のムーブメントを製作できるブランドもあります。

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ハイビートの特徴は定期的なメンテナンスは必要となりますが、精度が安定しており、振動・衝撃にも強いのでデイリーユースに適しております。

最後に

実用性を重視してハイビートの時計を購入するか、芸術性を求めてロービートを選ぶか、嗜好品でもある時計を選ぶ際、非常に悩ましい問題ではないでしょうか。 

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また時計を長年使用しているとテンプの動きも悪くなり、それとともに精度も大幅に狂ってしまいます。
oomiya和歌山本店ではメンテナンスも承っておりますので、時計の不調についても是非ご相談くださいませ。