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3月末から開催されていた世界最大の時計見本市【ウォッチズ＆ワンダーズ2023】
様々なブランドから魅力的な新モデルが発表されましたが、それとは対照的に生産終了となるモデルも存在します。
本日ご紹介するモデルもその一つです。

ヘリテージ クロノとは？

まずはチューダーのヘリテージ クロノを簡単にご紹介致します。
1970年代初期に製造されていたモデル、チューダー オイスターデイト『ホームベース』のオリジナルの形状とプロポーションを継承したモデルとなります。
6時位置のデイト表示とホームベース型のアワーマーカーはオリジナルモデルを踏襲しています。

その他にもねじ込み式のクロノグラフプッシャーや、オリジナルモデルからは多少の変更はあるものの、刻みを付けたベゼルやリューズ、プッシュボタンも高い操作性を誇りつつ印象的なデザインに。

正面だけでなく時計を斜めや横から見たときにもこだわりが感じられるポイントですね。

カラーリングも特徴的でやはりオレンジが目を惹くのですが、ブラック・グレー・ホワイト・オレンジが絶妙なバランスで配され、一つの色がとびぬけて主張するわけではなく時計全体での印象を色濃く残してくれます。
ファブリックストラップもブラックをベースにグレーとオレンジを使い、フェイスの印象とマッチさせながらストラップの印象も残します。

ファブリックストラップとは？

そもそもファブリックストラップとはどういったものなのでしょうか？
現在では時計のストラップ素材は非常に多岐にわたります。
王道のメタルブレスレットはもちろん、レザーやラバーなど、それぞれ特性があり時計の印象を大きく左右するポイントでもあります。
今回ご紹介しているモデルもメタルブレスレットやレザーストラップへの付け替えも可能ですが、フェイスとの高い親和性を持つファブリックストラップが私のオススメです。
腕時計としてこのようなストラップが急速に広まったのは、ミリタリーと密接に関係しており、1970年代初めにNATOがナイロン糸を腕時計のストラップに使用することを標準化したことから始まります。安価でかつ簡単に交換できることから重宝されました。
この名残からブランドによっては今でも『NATOストラップ』という呼び方が定着しています。
2000年代に入ると熱心な時計コレクターがファブリックストラップに関心を示すことになりますが、多くの高級時計ブランドは採用しませんでした。理由は様々でしょうが、ファブリックストラップはスポーティでミリタリーな印象が強く、『高級感を演出する』には向かなったからではないかと勝手に推測しています。
そんな中チューダーはいち早くファブリックストラップを取り入れます。フランス海軍をはじめ様々な軍との関係があるチューダーからすると自然な流れでもあったかもしれませんね。
チューダーが採用するファブリックストラップの詳細はとても長くなりそうなので是非コチラをご覧ください。
他社ではパネライやIWCなど、ミリタリーウォッチを手掛けるブランドも採用するファブリックストラップ。どれも強靭な印象は受けますが、特にチューダーのストラップは非常に柔らかいのです。強靭でいて、しなやかなファブリックストラップは普段使いにピッタリです。

なぜ生産終了になるのか？

今回はあえて生産終了モデルをフォーカスしましたが、そもそもなぜ生産終了になるのでしょか？
時計に限らず、一般的には『人気が無くなったから』や、『時代のニーズに沿わない』、『素材が調達できなくなった』など様々な理由があると思います。
ですが、今作のヘリテージクロノに関しては『人気がある』にも関わらず生産終了となりました。
ブランドにより様々な考え方があり一概には言えませんが、時計業界では人気モデルの生産終了は比較的多くあります。
我々販売店のスタッフも『あんなに人気だったモデルが無くなるの！？』なんて戸惑うこともしばしば。
だからこそ気に入ったモデルが見つかったらその時が買い時だと感じます。いざ買おうとなった時には既に無くなっていることもありますからね・・。
すでに所有している方は買っておいてよかったと、より満足感は高まるでしょうが『あの時買っておけばよかった・・・』と買えなかった後悔って結構引きずる方が多い印象です。

ヘリテージクロノを店頭でご覧いただける機会も残り僅かかも！？しれませんのでご興味のある方は是非遊びにいらしてください。