時計の精度検定【クロノメーター】とは?
せっかく高級な時計を選ぶのであれば、高精度な方がいいと考えるお客様も多いのではないでしょうか?
そんな時に高精度の基準となるのが【クロノメーター】になります。今回のブログではクロノメーターについてご紹介いたします。
時計の精度
電池を動力とするクオーツの時計、電圧を加えることにより安定した高振動を行う水晶(クオーツ)の特性を利用しており、1ヶ月に生じる誤差は数十秒ほど、高性能な時計であれば年差1秒という時計も存在します。
それに対して巻き上がったゼンマイがほどけようとする力で動く機械式時計は、物理的な力のみで動いているため、ゼンマイの巻き上げ残量、姿勢差や温度差など様々な要因により、進みや遅れが生じ、高級ブランドの時計であっても1日に10秒や20秒の誤差がでます。
クロノメーターとは?
では文字盤やムーブメント、裏蓋などにクロノメーターと表記された時計の場合はどうなのか?
まずクロノメーターとは公的機関により精度の検査が行われ、国際的に定められた検定基準をクリアした時計にのみ表記が許される、高精度の時計であることの称号になります。
元々は船舶用のマリンクロノメーターのことをいい、航海においての海上での位置や経度などを割り出すために用いられ、振動や温度変化に強い高精度な機械式時計のことでしたが、1910年に腕時計として初のクロノメーター認定、そして一般の腕時計にも高精度であることの指標として1976年に現在のクロノメーター規格が制定されました。
スイスのスイス公式クロノメーター検定協会(C.O.S.C=Contrôle Officiel Suisse des Chronomètres)やフランスのブサンソン天文台、ドイツのグラスヒュッテ天文台が検査を行う時計規格であるクロノメーター、スイスではビエンヌ、ジュネーブ、ル・ロックルの3ヶ所で検定は行われ、それにパスした時計にのみ与えられる【クロノメーター】、そのムーブメントには歩度証明書が発行されます。
検定試験は完成した時計ではなくムーブメントのみで行われ、5種の姿勢差、3種の温度差がある環境で15日間の精度検定が行われ、平均日差が-4秒〜+6秒以内(ムーブメント径が20mm以下の場合は-5〜+8秒)に収まることが求められます。
クロノメーターは機械式時計のみ?
またC.O.S.Cはクオーツの検定基準と試験を設けており、その合格基準は日差±0.07秒以内、月に換算すると約2秒ほどの誤差であり、通常のクオーツムーブメントの約10倍の精度が求められます。
100%クロノメーター宣言を実現したブライトリングは、クオーツの時計も全てクロノメーターの検定をパスしております。
スーパークオーツと称されるブライトリングのクオーツムーブメントは、厳選された水晶が使用されており、また温度補正機能が備わることにより、温度変化による精度への悪影響に対応し、クロノメーターの認定を受ける高精度を発揮します。
最後に
グランド セイコーやジャガー・ルクルトのように自社内で基準を設けていたり、クロノメーター以上に厳格な検定を受けるブランドなど、精度や品質についてはそれぞれ考え方は異なります。
ノンクロノメーターの時計であっても高精度な個体はたくさんありますが、クロノメーターの認定を受けている時計はスイス製の時計の中でも僅か数%といわれ、非常に厳しい検定に合格したムーブメントが搭載されております。
ぜひ時計選びの際の基準にいかがでしょうか?