ようやく過ごしやすい気温になりましたが、寒暖差が大きいので体調には気をつけなければいけませんね。
2023年の夏は全国的に平年よりも暑く、また厳しい残暑も続き、暑さによって疲労が蓄積された方も多いと思いますが、人間だけでなく時計も暑さによってダメージを受けてしまいます。

時計の外装に使用される素材‥セラミックやカーボンファイバーに代表されるハイテク素材、サファイア、シルバー、ブロンズ、ジルコニウムなどなど‥その種類はどんどん増えてきております。
しかし昔から時計に採用されてきた代表的なものというと、ステンレススチールやチタンや貴金属が挙げられるのではないでしょうか？
今回のブログはそれら素材の特徴と、暑さによる汗などによる汚れが蓄積されると時計はどうなるのか？汚れを除去するにはどうすればよいのか？についての内容になります。

時計用の素材として最も一般的な【錆びにくい】という意味のステンレススチール。
高級ブランドの時計に多く採用されているのはサージカル(医療用の)ステンレスであり、JIS規格で316L(SUS316L)と呼ばれております。
不働態被膜を纏っているので腐食しにくく、金属アレルギーの原因となる金属イオンの発生が少ないので医療用のメスやハサミなどに使用されております。
また一部の時計ブランドのみが採用している904Lはスーパーステンレスといわれ、宇宙・航空産業や化学産業でも使用されており、クロム、モリブデン、ニッケル、銅などの含有量が高く、貴金属に匹敵するほど耐食性に優れます。
そして硬度が非常に高くハードな環境下での活躍と経年耐性に期待でき、磨き込むことによる美しい光沢も魅力のステンレススチールになります。

ステンレスと比べると重量は約60%、そしてやや黒ずんだ銀色のチタンも時計に多用される素材の1つです。
宇宙や航空業界、身近なものではアクセサリーや調理器具、義手や義足やインプラントなど幅広い分野で使用されております。
硬度が高く、加工が困難になりますが、強さ・軽さ・耐食性を備え、また生体適合性もあるので金属アレルギーを引き起こしにくいという時計に使用する上で理想的な素材の1つではないでしょうか。
塩化物イオンに対する耐性が強いので、汗や海水の影響による錆が出にくいことも特徴の1つです。

ステンレススチールとチタン‥上記のご説明で錆びに対する耐性がある素材ということはご理解いただけましたでしょうか？
しかしながら錆びないのかというと、長時間塩分や汚れや酸などに長時間の接触が原因で錆びてしまうことがあります。

時計好きならいつかは金の時計を！と憧れている方も多いと思います。
金は極めて過酷な状況下でなければ劣化せず、不滅の輝きを保つ金属になり、酸にもアルカリに対しても非常に優れた耐食性を持ち、純金の場合は錆びることはございません。
しかしリングやネックレスといったジュエリーや時計といった身につけて使用する金製品の場合、純金は柔らかすぎて変形の恐れがあり、割金という他の金属を混ぜることにより硬度が高められております。また割金の比率を変えて様々な色味のゴールドに仕上げることも可能です。
割金には銀や銅が使われ、その金属の影響で変色や錆びがでる可能性はございます。
香水やコスメ、温泉などは避けて、他の素材にも共通しますが使用後は柔らかい布などで皮脂などを拭き取ることをお勧めします。

時計を外した際に着けていた場所が黒くなっていたという経験はありませんか？
腕に密着している時計は日々の使用によって、汗や皮脂やホコリなど次第に汚れが蓄積され、その汚れが汗などによって腕に流れ出し腕に黒く残ってしまいます。

時計に採用される代表的な素材であるステンレススチールの場合、『ステンレススチール＝錆びない』ではなく、『ステンレススチール＝錆びにくい』素材になります。
ステンレススチールを構成する成分の1つであるクロムが空気などに触れると表面に薄い被膜ができて錆びの発生を防ぎます。しかし、この被膜はステンレススチールの表面に常に酸素が供給されている状態で維持されます。表面に汗や汚れが付着した状態の場合、酸素が欠乏し被膜が破壊され、錆びが発生してしまいます。
汚れの蓄積や、海でダイバーズウォッチをご使用された後、真水で時計を洗わずにいると、いずれ時計に錆びがでてくる可能性が充分に考えられ、時計に様々な悪影響を及ぼしてしまいます。

汗をかきやすい夏が過ぎ去り、時計にも汚れが蓄積されているかと思われます。では錆びを防ぐために、その汚れはどうやって落とせばいいのでしょうか？
oomiya和歌山本店では金属のブレスレットに関しては超音波洗浄機を使用し、ケースは綿棒や爪楊枝やブラシなどを使用して汚れを除去しております。

上記のように汚れが蓄積された時計もこのように綺麗になります。
ケースが錆びてしまった場合は防水不良を起こしてしまい、ブレスレットはスムーズに動かなくなったりガタガタになったり、酷い場合は切れてしまうことも‥ケースやブレスレットの交換が必要になった場合、高額な修理費用が発生してしまうことも‥

そうならないためにも弊社でお買い求めいただいた時計は、無料でクリーニングを承っておりますので、遠慮なくお申し付けくださいませ。
動画でブレスレットから黒い汚れがでておりますが、超音波洗浄機でこのように汚れを除去させていただきます。
レザーベルトが付いた時計も、ベルトを外して時計本体を綺麗にさせていただきます。
その際に磁気点検や、機械式時計の場合は精度点検もさせていただき、また不具合がある時計はメンテナンスを推奨させていただいております。
※所要時間は15〜20分ほどになりますが、土日祝日は混雑状況により、お待ちいただく場合やお預りになる場合もございます。予めご了承ください。