「サントスが欲しい！」「でもサントスって二種類あるけど何が違うの？」という方向けにサントスの違いをお話いたします。
今回は店頭にあるサントス ドゥ カルティエ(WSSA0018)とサントス デュモン(WSSA0022)を比べて見ました。

カルティエがある人物のためにつくった時計？

サントスは1904年に誕生した世界初の実用的紳士時計です。当時腕時計はドレスにポケットが無い貴婦人たちがアクセサリーの一部として身につけていました。対して男性はヴェストのポケットに懐中時計をしまっているのが一般的だったのです。

世界初の実用的紳士時計となったその時計は、アルベルト・サントス・デュモンという人物のために作られたものでした。
飛行冒険家であったアルベルトは自作の飛行船に乗り、石油王のドゥーチェが創設した「ドゥーチェ賞」に挑戦しました。サン・クルー公園を出発後、エッフェル塔を回り、30以内で出発点に戻れれば賞金を得る、というものでした。
29分30秒に出発地点に降りたったアルベルトでしたが、観衆が歓声を上げる中、ひとりアルベルトは、「成功したのか？」と駆け寄る人々に何度も尋ねました。
その後アルベルトは、ルイ・カルティエに飛行機の操縦中に懐中時計で時間を確認するのは困難だと話し、それを聞いたルイ・カルティエはアルベルトに時計を贈りました。
サントス・デュモンと名付けられた時計は飛行家のためにつくられたパイロットウォッチであり、世界初の男性用紳士時計となりました。懐中時計で見慣れた丸型ではなく、角型の時計は誰も見たことのない時計でした。
1904年に誕生したサントス・デュモンは1911年に一般向けに販売されました。

サントス ドゥ カルティエ、サントス デュモンの違い

サントス ドゥ カルティエ(WSSA0018)は自動巻き。サントス デュモン(WSSA0022)はクォーツの時計です。(サントス デュモンXLモデルは手巻きです。)
『サントス ドゥ カルティエ』はCal.1847MCを内蔵しており、ゼンマイの巻き上げはムーブメントのローターが自動的に行ってくれます。耐磁性を高めるために脱進機には非磁性パーツが使われていたり、生活する上でさらされる強力な磁気に耐性があります。
ジュエリーブランドのイメージが強いカルティエですが、現在IWCやパネライといった長い歴史を持つ高級時計ブランドもカルティエのムーブメントであるCal.1847MCの基礎設計を使っているのです。
対して、『サントス デュモン』は、クォーツの時計。クォーツの時計は電池によって供給される動力で動きます。忙しい朝には時間を合わせる必要がなくサッとお使いいただけるのでとても便利です。
また、横からご覧いただいた時の厚みはもちろん、重みもリューズのデザインも異なります。

どちらも人工ブルースピネルがリューズに使われておりますが、『サントス ドゥ カルティエ』はファセットカットが施された七角形に対し、『サントス デュモン』はカボションカットとなっております。お好きなリューズのデザインでお選びいただくのもいいですね♪

その他違い

文字盤も比べてみます。

『サントス ドゥ カルティエ』はインデックスが太く、カレンダー機構が6時位置にあります。
『サントス デュモン』はインデックスが細く、カレンダー機構がございません。また、カルティエならではの、分のメモリを表すダブルライン、レイルウェイ　ミニッツトラックがインデックス内側にあるか、外側にあるかの違いもあります。

	サントス ドゥ カルティエ	サントス デュモン
インデックス	太め	細め
針	三針	二針
カレンダー機構	あり	なし
レイルウェイ ミニッツトラック	インデックス内側にあり	インデックス外側にあり
自分でベルト交換	できる	できる

そしてどちらにも共通しているのが、ベルトやブレスをご自身で交換可能という点。
時計のベルト交換は工具が必要なものが多く、店頭にお持ちいただいて行う必要がありますが、こちらの時計はご自身で簡単に交換していただけます。
『サントス ドゥ カルティエ』は真ん中のプッシュボタンを押しながら平行に取る。『サントス デュモン』は右側にあるステンレスのレバーを内側に引っ張るだけ。気分やその日の服装に合わせて簡単に交換が出来ちゃいますね。

また、『サントス ドゥ カルティエ』はブレス、革ベルト、ラバーの三種類をお楽しみいただけるのに対し、『サントス デュモン』は革ベルトのみとなっております。

着用イメージ

当店の男性スタッフに着用してもらいました。

『サントス デュモン』と比べて厚みを感じられますが、他ブランドの時計と比較すると薄めです。
角型の時計は防水性を高めるのは難しいとされていますが、なんと安心の100m防水。日常生活でお使いいただくには十分すぎる防水性ですね。

素材は同じステンレスが使われていますが、『サントス ドゥ カルティエ』と比較すると、中に入っているムーブメントの違いでやはり薄く、軽めです。長時間お使いいただいても比較的ストレスがないと思われます。また、現行モデルの『サントス ドゥ カルティエ』に対して『サントス デュモン』はアンティークな雰囲気があります。

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