時計のガラスの周りにあるパーツの名称をベゼルといいます。
ブランドによってはガラス縁と呼ばれ、ガラスの固定や気密性の向上といった役割があります。
シンプルなベゼルの時計はビジネスシーンで重宝しますし、ダイヤモンドがセッティングされたベゼルの時計は華やかさを演出してくれます。
一昔前はケースと同素材であったり、アルミが使用されることが多かったベゼルですが、

傷に強いセラミックや…

マーブル柄が特徴のカーボンなど、ハイテク素材が使われたモデルが増えてきました。
またベゼルには数字や目盛のあるモデルも多く、その役割も様々であり、代表的なものをご紹介いたします。

【逆回転防止ベゼル】

ダイバーズウォッチに用いられるベゼルで、ダイビング中の時間計測に使用します。

12時位置にある逆三角形を分針に合わせ、時間の経過とともに分針が進み、分針が指している目盛が経過時間となります。
ダイバーが残された空気量を勘違いしないように、安全性の為に時計回りには回転しないようになっております。

【タキメーター】

クロノグラフ(ストップウォッチ)搭載モデルに用いられ、走行平均時速を計測する機能になります。
計測開始時にクロノグラフをスタートさせ、1キロ経過時にストップします。その際にクロノグラフの秒針が指しているベゼルの目盛が平均時速となります。

上の画像では1キロを35秒で走行しており、平均時速が100キロとなります。
モータースポーツと関わりのあるモデルによく見られる機能です。

【GMT】

グリニッジ・ミーン・タイム(グリニッジ標準時)の略になります。イギリスのグリニッジ天文台が観察する時刻のことで、多国間の時差を示します。
今いるホームタイムの他に、第二時間帯を表示できます。ベゼルには24時間表記されているモデルが多く、そのようなモデルのGMT針は24時間で1周します。またベゼルが回転するモデルであれば第三時間帯を表示することも可能です。

【回転計算尺】

回転計算尺というと、ブライトリングのナビタイマーが代表的です。
ベゼルを回転させることで距離や燃料、速度など飛行に欠かせない計算を行うことができます。今日のように計器が発達していない時代のパイロットを支えてきた機能になります。簡単な掛け算や割り算、通貨の換算なども行うことができます。

腕時計のベゼルに用いられている数字や目盛には様々な機能や意味があります。
コンピューターや計器が発達した今日であれば、本来の用途で用いる機会は少ないと思いますが、その役割を調べてみると意外と奥が深いですよ。