時計のケース…どのように閉じられているのかご存知ですか?

時計のケースの裏側…機械式時計の場合はスケルトンになっているモデルも多く、ムーブメントの美しい仕上げに見入ってしまいますよね。
裏蓋というパーツが時計の裏側には用いられており、ケースに文字盤やムーブメントを収め、最後に裏蓋で密閉します。
裏蓋にはブランドネームやブランドロゴ、時計の品番や固有番号、防水性などが記載されていたりしますが、どのように閉じられているかまで意識される方は少ないのではないでしょうか?
裏蓋の閉じ方で代表的なものは3パターンあり、時計のケース形状や気密性に関わってきます。
時計のケース…どのように閉じられているのかご存知ですか? - メンテナンス 最初にご案内するのが【スクリュー式】
スクリューバックと呼ばれ、裏蓋とケースに切り込みをいれ、ねじ込みながら裏蓋を閉じていきます。
高い防水性や耐久性が求められるダイバーズウォッチやパイロットウォッチの多くはスクリュー式が用いられており、ケース形状は厚みがある時計になります。
時計のケース…どのように閉じられているのかご存知ですか? - メンテナンス 対角線上にある溝に上の画像のオープナーの爪を合わせて回転させることで開け閉めを行います。
時計のケース…どのように閉じられているのかご存知ですか? - メンテナンス 次に【ネジ式】
ケースと裏蓋にあるネジ穴にネジを通して、精密ドライバーを用いてケースに裏蓋を固定します。
ケースを薄くできるというメリットがあり、ドレスウォッチによく採用されます。日常生活用防水の時計が多くなりますが、ネジ式でも近年は100m防水以上のモデルも増えてきております。
時計のケース…どのように閉じられているのかご存知ですか? - メンテナンス 最後に【はめ込み式】
スナップ式とも呼ばれ、その名の通りですがケースに対して裏蓋をはめ込んで固定します。
高級時計に用いられることは少なく、カジュアルウォッチによく採用されます。

上から見るとネジ穴や溝はありませんが、裏蓋とケースの接着面をよく見ると小さな隙間があり、その隙間に対し『こじ開け』という工具を使用して裏蓋を外します。
時計のケース…どのように閉じられているのかご存知ですか? - メンテナンス また時計の裏蓋にはパッキンが用いられており、ケースと裏蓋の間から水や湿気が入らないようになっております。
しかしながら時計のパッキンは普段の使用で経年劣化し、また裏蓋を開けることによっても防水性は低下します。
電池交換の際はパッキンも合わせて交換し、また定期的なオーバーホールを受けていただくことで気密性は確保され、安心してご使用いただけます。
ご愛用されている時計のメンテナンスのご相談はどうぞお気軽にお申し付けくださいませ。