2015年、ツァイトヴェルク・ミニッツリピーターが発表されました。
ハンマー打ち機構を搭載する腕時計の中で最上級モデル「ツァイトヴェルク・ミニッツリピーター」は、瞬転数字式時刻表示機構と十進ミニッツリピーターを明晰なデザインに融合させるという、時計技術上の困難に新たに挑戦したモデルです。
正時、正10分、および正分の音色を組み合わせて時刻を知らせるリピーター機構を初めて搭載しました。
左上にあるボタンを押せばいつでもデジタル式の表示時刻を正確に音で奏でます。
正時を低音、正10分を重複音、そして正分を高音で知らせます。
A.ランゲ&ゾーネの設計チームはツァイトヴェルク・ミニッツリピーターを開発するにあたり、時刻を針で表示するのではなく、1枚の時ディスクと2枚の分ディスクで表示するという瞬転数字式表示機構の基本原理を応用しました。
表示機構に接続している3本のレバーで正時、正10分、正分を別々に読み取って時刻を打ち鳴らします。
ツァイトヴェルク・ミニッツリピーターにはハンマーの操作部品として、広く使用されているスライダーではなく技術的に難易度の高いボタン機構を組み込みました。
一点の曇りもない響きを創り上げるには、ムーブメントとケースの調整作業に細心の注意力が要求されます。
音感の鋭い時計師が、手作業で耳を頼りに、ふたつのゴングそれぞれが美しい和音をなし、長い余韻が残るようになるまで調整を繰り返します。
771個もの部品をムーブメントに組み立て、すべての機構がスムーズに連動し、長期的に正常に機能し続けるようにするには、数えきれないほどの作業工程と厳密な共鳴音の調整が必要です。
操作を間違って機械全体にダメージを与えることがないよう、誤操作防止措置も施されています。
ハンマーの作動中に時計を調整すると機構が干渉し合うおそれがあるため、チャイムが鳴る間はリューズが引き出せないようになっています。
巻き上げに関与する輪列は、リピーターが鳴っている間、リピーターを駆動する角穴車から切り離されるようになっています。
この切り離しによって、ハンマー作動中に巻き上げ輪列がリューズと一緒に回転して動力を消費するのを防ぎます。
そのため、数時ディスクもチャイムが完全に鳴り終わるまで進みません。
例えば、最も打ち鳴らし回数の多い12時59分には、チャイムが鳴り終わるまでに約20秒もかかりますが、その間、時分を表す数字ディスクは動きません。
どんな場合でも表示時刻とリピーターが奏でる時刻がぴったりと一致します。
打ち鳴らし動作が終了するまで邪魔されることがないように、不要に時計を止めることがないよう、パワーリザーブ残量が12時間以下になると、リピーターが作動しなくなります。
パワーリザーブ表示の赤色の領域がそれを示します。
A.LANGE&SOHNE (A.ランゲ&ゾーネ)
ツァイトヴェルク・ミニッツリピーター
品番:147.025
ケース径:44.2㎜
ムーブメント:手巻き、L043.5
文字盤:シルバー無垢、ロディウム
ハンド:ゴールド ロディウム仕上げ
タイムブリッジ:洋銀、ブラックロディウム仕上げ
機能:時および分の瞬転数字表示、正時(低音)/正10分(重複音)/正分(高音)打ち十進ミニッツリピーター、ストップセコンド機能搭載スモールセコンド パワーリザーブ表示AUF/AB パワーリザーブ36時間
ケース:プラチナ
価格:未定
発売予定時期:4月以降