以前もこのブログでお話させていただきましたが、
機械式時計の世界は今、あらゆる意味で“二極化”が進んでいます。
チタンやカーボン、セラミックといった新素材の台頭によって
ハイテクなもので固められた、スポーティなトレンドが色濃い、
いわゆる“ラグジュアリー・スポーツ”と称されるブランドやモデル。
一方、パテックやヴァシェロンに代表される、
クラシックな高級時計ブランドも好調ではありますが、
クラシックがクラシック然としていては、売れない時代なのも事実。
オーデマ ピゲの「CODE 11.59」に象徴されるように、
伝統を守りつつも、いかにしてモダンな感性を取り入れられるかが、
生き残るためには必要になってくる。
そんな感覚に優れた、いま僕自身もっとも気になっている時計を、
今回はご紹介したいと思います。
それがこちら、H.モーザーの
「エンデバー・パーペチュアル・ムーン・コンセプト」です。
H.モーザーは1828年に創業した、スイスを拠点とするマニュファクチュール。
歴史に裏付けられた確かな技術は言わずもがな、
インデックスすら配されていないブラックの文字盤、美しい曲線を描いた針など、
クラシックな時計を見事にモダンな方向へとシフトさせている。
ムーンフェイズに「オジサン臭い」というイメージを
もっている人も少なくないと思いますが、
こんなスタイリッシュなデザインなら断然ありですよね?
まさしく、カジュアルにも着けられるムーンフェイズ。
というわけで、PT05のジーンズに合わせてみました。
リネンのトラッカージャケットはB.R.ONLINEで購入したバグッタ。
それと色合わせしたスエードローファーはオールデン。
インナーのニットTシャツはユニクロです。
ちなみに余談ですが、小脇に抱えたザネラートの戸賀別注モデル
「ネノ バントゥー」は秋に再販される予定!
加えてこの時計が素晴らしいのは、ほどよいボリューム感があるところ。
このデザインで薄手だと合わせる服を選びますが、
適度に男らしさがあるので、半袖にすらマッチする。
しかも、ロゴに頼らないカッコよさは、紳士服に通じるところもある。
ラグジュアリー・スポーツに飽きてきた人への新しい提案として、
とても新鮮な時計だと思います。
戸賀は、本当に欲しいです(笑)