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時計はデザイン、ブランド、それらによって生まれる雰囲気を重要視すべき

時計はデザイン、ブランド、それらによって生まれる雰囲気を重要視すべき - COLUMN |begin1-830x553TEXT by Yasushi Nakazato


デザイン、ブランド、それらによって生まれる雰囲気を重要視します。

oomiyaさん、38周年おめでとうございます。僕が『時計Begin』に関わる以前から、周辺スタッフやメーカーさんからの「和歌山にいい店がある」「常に一生懸命で、常に新しいことをしている」というoomiyaさんへの好評価は耳にしていました。そしてこの業界でキャリアを積むにつれ、それは事実だったと実感しています。腕時計という高額商品を求めるお客さんは、ブランドやモデルはもとより「どの店で買うか?」も吟味に吟味を重ね、最終的にはその店が「信頼できるか否か?」で選ぶはず。それに応え続けてきた結果の38年に、あらためて敬意を表します。

さて、腕時計は僕にとって 「時間も判るアクセサリー」であり、「身に着装して個を表現する道具」です。ゆえに、前のめりになっての自己満足的な選び方はせず、あくまで「見せたい自分に見せられるか?」を選択基準にしています。具体的にはデザイン、ブランド、そしてそれらによって生まれる雰囲気。これらを重要視します。デザインの好みは主観的なものなので割愛しますが、やはり歴史やストーリーのあるブランドが生み出す腕時計は、懐が深くて頼もしく、それに紐付いた知的で優雅な独特の雰囲気を持っています。

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僕の日常、特にビジネスシーンに於いては、機械式腕時計は必須の存在。

そんなこんなの理由から、結果的に僕が触手を伸ばすのは相応のブランドが手間隙かけて作った機械式腕時計。それらには機械なのにある意味有機的な、なんというか、唯一無二の存在感が必ず漂っています。そしてそういった腕時計は、一朝一夕には得られない(そして僕に足り ない)前述のファクター(懐深さ、知的さ、優雅さ)を、あっという間に僕の“個”へトッピングしてくれます。

なのでもはや僕の日常、特にビジネスシーンに於いては、機械式腕時計は必須の存在。女性にとっての化粧、ウルトラセブンにとってのウルトラアイ、のようなものなのです。

というこの原稿を、PCのキーボードを打つことによって生じる自動巻き腕時計のローターの微振動を感じつつ、書いています。

時計Begin編集長中里 靖
1969年生まれ。48歳。約10年間のフリーエディター&ライター時代を経て、2003年に世界文化社へ入社。同社男性誌『MEN’S EX』編集長、同女性誌『MISS』編集長代理等を歴任した後、’12年より『時計Begin』編集長を務める。