皆様こんにちは。oomiya 京都店の青木と申します。
いつもoomiyaウェブマガジンをご覧いただき誠にありがとうございます。
本日は時計のご紹介ではなく、【グランドセイコー】がジュネーブ時計グランプリのメンズウオッチ部門賞を受賞した時計「白樺」が作られている「グランドセイコー スタジオ 雫石」のお話をしたいと思います。
2023年の2月に訪問し、その感想も含めて皆様にお伝えできたらなと思いますのでぜひ最後までお付き合いくださいませ。
エボリューション9 コレクション
9Sメカニカル ハイビート 36000
品番:SLGH005
価格:\1,155,000-(税込)
ムーブメント:自動巻き(9SA5)
ケース素材:ステンレススチール
ベルト:ステンレススチール
防水:日常生活用強化防水(10気圧)
サイズ:40mm
その他特徴:最大巻上時約80時間持続
静的精度:平均日差+5秒~-3秒
耐磁
秒針停止機能
裏ぶたに獅子の紋章つき
グランドセイコーマスターショップ限定モデル
数あるモデルの中でも最近の【グランドセイコー】を代表するモデルと言えばエボリューション9 コレクション 9Sメカニカル ハイビート「SLGH005」ですよね。
コロナが落ち着いてきたおかげで外国人観光客のかたも増えてきて、本来の京都の活気を取り戻しつつあります。oomiya 京都店にも海外のお客様がたくさんご来店していただいているのですが、ほぼ100%と言っても過言ではないぐらい【グランドセイコー】を目当てにご来店してくださいます。【グランドセイコー】というブランドが海外では本当に有名で人気なんだなと改めで実感致しました。
グランドセイコー スタジオ 雫石
「白樺」を代表とし、他にもメカニカルのモデルは全てここ「グランドセイコー スタジオ 雫石」で作られています。
ここが建てられたのは2020年7月20日、ブランドが誕生して60周年という節目の年に建てられました。実はこのスタジオ、2019年完成の国立競技場の設計に携わった建築家、隈研吾氏が設計を手がけているんです。
グランドセイコースタジオ雫石には機械式時計のムーブメント部品、所謂、機械式時計の中身が展示されており、実際に手に取って見ることができます。それに、ガラス越しに技能士さんたちが組立や精度調整を行う姿を見学することができ、実際に作っているところを間近に見ることができます。大勢の技能士さんが高い集中力で組み立てているのを見るとこっちまで息が止まりそうなくらい真剣に見てしまいました。さらに嬉しいポイントが、グランドセイコースタジオ雫石限定モデルが展示されており、購入することも可能です。限定モデルの詳細についてはまた後程お話しますね♪
温かみのある工房
「大和張り」という日本古来の建築技法で板と板を重ね合わせリズム感を持たせた壁面や「自然と共生する」、「時を刻む」というリズム感を表現する等間隔に配置された支柱、展示コーナーに広い空間を生み出す、岩手山に対して跳ね上がった天井など、ただただ建物を作るだけじゃなくて、「自然」というキーワードを基に設計され、建てられています。
技能士の方たちが手掛けるムーブメント
こちらの工房で「SLGH005」などのメカニカルムーブメントが組立師によって全て手作業で作られています。また、1人の組立師が全ての工程をするのではなく、それぞれの工程で違う組立師がつくっていき、全員で完成を目指していきます。
まずはムーブメントを組み立てるための各部品のセット、注油作業などを行う組立準備工程とムーブメントのほとんどの部品を一旦組み立てる「ザラ組」。次に時計の精度を司る「ひげぜんまい」を調整する非常に重要な工程を行い、クロノメーター検定よりも厳格な「グランドセイコー規格」で17日間掛けて精度を測定し、合否を判定します。そして精度検査に合格したムーブメントに文字板と針を取り付ける「外装付け」という工程を行い、顕微鏡を覗きながら塵や埃を丁寧に取り除き、ケースへムーブメントを入れ、裏蓋を閉じて時計本体を完成させる「外装付け」の最終工程でようやく1本の時計が完成します。
本物のムーブメントが手に取れる
グランドセイコーのフィロソフィー「THE NATURE OF TIME」の説明、歴史、パーツ、部品製造工程などが展示される展示コーナーがございます。ここに来ないと見ることのできないものがたくさん展示されているだけでなく、組立師の方々の紹介などもされています。
ラウンジもございます。
2階にはラウンジがあり、休憩することも可能です。
こちらには2020年9月に発表された世界初の機構を搭載したコンセプトモデル、コンスタントフォース・トゥールビヨン、T0(ティー・ゼロ)が展示されています。
また、冒頭でもお伝えしましたが、グランドセイコースタジオ 雫石限定モデルを販売するショップでもあります。これらのモデルは現地でのみご購入いただけます。数ある中でも人気と言われているモデル「SBGH283」は毎時36,000回(毎秒10振動)という高速振動により、安定した精度を実現するハイビートムーブメント「9S85」を搭載しており、スタジオを取り巻く森の新緑をイメージしたグリーンカラーダイヤルに縦のストライプ模様を施した特別なモデルです。
まとめ(スタッフの個人的な感想)
今回グランドセイコー スタジオ 雫石に行かせていただきましたが、私は時計が作られている工房に行くこと自体が初めてでした。岩手県盛岡市の山の中にスタジオがあり、設備などそこまで充実していないのではないかと正直思っていましたが、外観は本当にパンフレットやネットで見た綺麗さと同じでした。また建物だけではなく、その周りの自然の環境も社員の方々が意識的に綺麗にしているとのことでした。
私が特に徹底管理されているなと感じたところは外にありました。工房など室内が綺麗なのもすごいことではありますが、そういったところは少なくないはずだと私は思っています。ですが、その周りはどうでしょうか。時計を作ることだけではなく、時計を作る環境を良くするためにこちらの社員の方々は一人一人が意識的に行動されているとお聞きしました。
工房の裏に白樺の木が生えているのですが、左半分がグランドセイコーが管理している森、右半分はグランドセイコーではなく他の方が管理されている森だそうです。圧倒的に雑草の量が違うのがおわかりいただけると思います。2月だったのでまだまだ雪が積もっていましたが、雪の下から生えてきている雑草も全然違いました。
次に組立師の方の集中力の高さに驚きました。現地の社員さんにご説明を受けながらスタジオ内を見学していたのですが、どこから見ても話し声が聞こえてもだれ一人手を止めずに作業されていました。私はよくなにか作業しているときに他の人に話しかけられたりすると気が散ってしまい、ひとつのことに集中できなくなります。組立師になるためにはそういった集中力を測ったり、手の器用さを測ったりと様々な試験があるそうです。私はその試験に合格できませんね。(笑)
このように目の前からカメラを向けても、まさに「一意専心」といった集中の様子でした。許可を得て撮影していますが、目の前にカメラを向けられたら普通は嫌で顔を違う所に向けたくなりますよね。
展示スペースでは、ムーブメントの他に組立に必要な道具やパーツなどの小物、ケースが出来上がるまでの工程など、見ていて本当に飽きない空間でした。展示スペースとありますが、実際に手に取って見れるものもあったので普段お店に行くだけでは絶対に触れないようなパーツも触ることができます。私も時計の販売員をしていてこんなにパーツに触れたことがなかったので、それがここでは叶うので本当に良い体験でした。
グランドセイコー取扱店舗
グランドセイコーは下記の正規品販売オオミヤ店舗にてご覧いただけます。