僕が思う、ファッションとしての腕時計との付き合い方を
皆さんにお届けしているこのブログですが、今回は少し趣を変えて、
“トゥールビヨンをまとう意味”みたいなことをお話できたらと思っています。
なぜかというと、僕でも買えると思える、
本気で欲しいと思えるトゥールビヨンがあるからです。
そのモデルを紹介する前に、
まずは時計業界の現状についてお話しておく必要があります。
各ブランドから1000万円を超える“超”高級時計が続々と登場し、
100万円の腕時計はもはや高級ともいえないところまで来ている。
そして、複雑系といわれるトゥールビヨンやパーペチュアルカレンダー、
ミニッツリピーターなどの機能を搭載した“超”高級時計もあれば、
一方ではチタンやカーボン、セラミックといった新素材の台頭によって
ハイテクなもので固められた、スポーティなトレンドが色濃いモデルも支持を集めている。
機械式時計の世界は今、そんなあらゆる意味での“二極化”が進んでいて、
長い歴史があっても変わらない、変われないブランドは淘汰され、
たとえ30年余りの歴史であってもトップに立つことができるのが現状です。
ゆえに、前述した機械式時計の複雑機構などは、
いわゆるトレンド・ウォッチャーたちにとって興味の対象ではあっても、
リアルに語られることはありませんでした。
このタグ・ホイヤーの「カレラ キャリバー ホイヤー02T」が出るまでは。
それまで、ごく一部の時計愛好家だけの逸品だったトゥールビヨンを、
三桁で、しかも100万円台で、限りなく手の届く価格で実現。
しかも、マットブラックのセラミックケースによる、
旬の“ラグジュアリー・スポーツ”で。
時計業界の常識を覆し、
そこに大きな宝の山があると踏んだタグ・ホイヤーは、
やはりエポックメイキングと呼ぶにふさわしい。
やっぱり一番の魅力、目を引くのが、
1分間に1回転するトゥールビヨンのテンプの動き……
これには時計好きじゃなくても虜にしてしまう魅力があります。
最近は製造も追いついてきたらしく、
人生の目標とすべき先人、先輩たちの時計、
これまで知らなかった世界が手ごろな価格で買えるとなれば、
注目すべき時計であることは間違いありません。
しかも、こんなセーターで、
もしくはTシャツで身につけられるトゥールビヨン、
今までにありましたか?
100m防水なので、プールやシャワーにもつけたまま入れてしまう、
ジャケット、襟付きを嘲笑うかのようなトゥールビヨン。
ある意味、もっとも贅沢な腕時計かもしれません。
年に1、2回しかつけない無用の長物ではなく、
僕らのライフスタイルに寄り添ってくれるトゥールビヨン。
それをつくったタグ・ホイヤーには本当に拍手を贈りたいと思うし、
それこそ、真のラグジュアリーなのではないかと思うのです。