異素材ということで言うと、もはや定番化しつつあるセラミックやブロンズなどは価格もこなれているため、先入観の少ない入門ユーザーにも好ましい時計が多い。ボール ウォッチのエンジニアⅢ ブロンズスターは、異素材を用いつつ耐磁性や耐傷性、独自技術マイクロ・ガスライトによる暗所での視認性など、かゆい所に手が届く機能も満載。この手の時計は、もはや愛好家だけが選ぶものでなく、ルックスで選んで中身も満足できるものへと変貌を遂げつつあるのだ。
ボール ウォッチ
エンジニアⅢ
ブロンズスター
多様な異素材のなかでも、高級感を保ちながら経年変化というオトコの楽しみがあるのがブロンズの良いところ。ボールのお家芸で、中身ももちろん8万A/mの耐磁性を持つので環境を選ばず使えるのも素晴らしい。ラバーストラップに付け替えてガンガン使いたい。
もちろん、ハイコンプリなどを中心に手がけるブランドはいまもその道に邁進している。だが、どこもかしこもが“マニュファクチュール”を目指す時代は終わり、自社の強みと魅力とを着実にファンに届ける方向へと向かうだろう。本稿では価格面も大きく訴求してしまったが、それ以外の面でもファンがブランドにたいせつにされる時代が到来したといっても過言ではないはずだ。