夏に試したいのが、金やベージュ系を用いた大人の色合わせ
ようやく暑くなってきた2019年、夏! まってましたとばかりに薄着になり、腕元にはゴッつく派手な時計をされる方も多いと思う。一方で、手首が華奢でどうしてもデカくて厚い時計にはなじめないという人もいるだろう。今回は、そんな悩める読者諸兄のために、夏の装いに合いそうな新たな時計の提案をしてみたい。
さて、身につけるものがシンプルになる夏、細身のアナタが気にすべきはズバリ、色と素材だ。まず夏に合う色としては、白、ブラウン、ベージュなどのアースカラーが取り入れやすい。
写真は筆者の私物からブライトリングのモンブリランと、借り物のIWCのパイロットウォッチ。私サイズのものをセレクトしているためやや大きめの時計たちだが、クロノグラフでなくそれぞれのブランドで3針モデルを選べば細身の方にもいいサイズ感だろう。お伝えしたいのは、モンブリランのブラウンダイアルとパイロットウォッチの針のベージュ夜光の色。日差しの強いこの時期に映える茶系やベージュのパンツと合わせると、途端にこなれたこなしになる。オトナっぽく、上質な印象になるため、派手め時計でのコーディネートと差別化を図れること請け合いだ。
一方で、この時期だからこそおススメしたい時計として、金無垢時計がある。腕時計の完成形のひとつである、金無垢時計。それも、いちばんクラシカルなドレス系のそれは使い道が狭い気がして買うのがためらわれたりするだろう。本来の使い方である冠婚葬祭なんて年に数えるほどだし、普段からパーティにお呼ばれするわけでもない。昔は張り切って金無垢時計にふさわしい三揃いを着込んでいたけど、いまではすっかりタンスの肥やし、なんていう人もいるかもしれない。
しかし上の写真のように、夏のこなしにさりげなくプラスすると意外なマリアージュを見せるから驚き。これは、筆者がウオッチナビの撮影中にモデルの私物を撮影したものだが、リネンの帽子とゴールドのネックレスに金色のレベルソが見事に合っている。ポイントとしては、ベージュ色のリネンと合わせたところだろうか。これを普通にコットン素材のTシャツと合わせるとカジュアル過ぎてミスマッチだ。モデルの彼は、リネンのセットアップを着込んで全身ベージュに金無垢レベルソという上級コーデを決めていたが、シャツにリネン素材を用いるのはいいアイデアと言えそうだ。
このようにドレス系金無垢を用いるのに抵抗を感じる方もいるかもしれない。そもそもドレス系金無垢の定義といえば、シンプルな2針か3針で極力薄く小型なものがより良いとされている。丸型ならばさらに正装に近づく。ただしこれは、タキシードは夜着るもの、と頑なに唱え続けるようなものなので、スーツの着方がそうなっているように、時計の着け方ももう少し解釈を柔らかくする余地はありそうだ。
さて、蛇足。下の写真はまだオオミヤさんでお取り扱いがないのであくまで例となるが、クラシカル過ぎない金無垢時計なら、コットン素材のTシャツでもいける場合がある。(写真はトム・フォードの時計)ただし、ゲージの細い上質なカットソーであることが条件だ。